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 年功序列の賃金も、年金もあてにできない現代。子どもたち、未婚女性、シングルマザー、高齢者……と、幅広い世代で貧困にあえぐ人々が増えている。そこで街の人の声を聞いた。

「保育園落ちた日本死ね」発言が国会で取り上げられて以降、子育てや労働環境を見直そうという風潮が強まる昨今。

「保育園に預けられないから、働きたくても働けない。結局、無認可の保育園に預けたものの、認可に比べると無認可は保育料が高額。ようやくパートとして働くことができたけど保育料がパート代を上回り働いている意味がわからなくなった。ノイローゼになりそうです」(30代・女性)

「舛添都知事の公約のひとつが、『待機児童をゼロにする』だった。でも、フタを開ければ何ひとつ進んでいない。権力者の驕奢な暮らしを支えるために、私たちは爪に火をともすような子育てをしなければならないの?」(20代・女性)

 最近では、お金がないために結婚できない貧困女子も増えているという。

「月給から家賃を引いて8万5000円以下だと貧困女子層に分類されるらしいんですが、まさに私の置かれている状況です。お金がないので着飾って婚活なんてできない。仮にパートナーがお金を持っていても、夫婦の所得に差がありすぎてうまくいくわけがない」(30代・女性)

「30歳までに夢を叶えられなかったら、まともな仕事に就こうと決めていました。夢破れて働き口を探したもののなかなか見つからなくて……せめて手に職のつく夢を見るべきでした。30歳でゼロからのスタート、不安で仕方ないです」(30代・女性)

「大学のために奨学金を借りた友人たちは、就職後まったく貯蓄ができないため“このまま20代を地味な生活で終えるのかな……”とボヤいていましたね」(20代・男子)

「うちの娘は30代ですが、いまだに実家暮らし。親に甘えているせいで、離職後もまともに復職しようとせずにアルバイト生活です。1度もひとり暮らしをしたことがないので結婚できるかどうかも心配。負の連鎖の止め方がわからない」(60代・女性)

 下流老人という言葉が生まれたように、貧困の魔の手は全世代に忍び寄る。

「妻から熟年離婚を叩きつけられ、50歳を過ぎて単身になってしまった。財産は取られ、家もなくし、今は郊外にアパートを借りて暮らしている。心まで貧しくなっていくのがわかる」(50代・男性)

「治療による高額の医療費に生活が圧迫されています。この後、何年生きるのかわからないのにお金を支払い続けるくらいだったら、確実に死ねる薬があるなら100万円で購入して安楽死を選びたいくらい」(60代・女性)

「ようやく子育てが終わったと思ったら、今度は親が認知症に。介護施設に入居させたいけど、保育園同様に入所待ち。福祉が充実していないことで、必ず誰かに貧困というしわ寄せが及ぶ。金持ちケンカせず……そんな暮らしがしてみたいです」(40代・女性)