辛口コラムニスト

今井舞、昼ドラは「“生理的な物語”を供給する専門枠」

2016年02月29日(月) 11時00分
〈週刊女性2016年3月8日号〉
2016年02月29日(月) 11時00分
〈週刊女性2016年3月8日号〉

 半世紀の歴史に幕を閉じる昼ドラ。辛口コラムニストの今井舞氏に、昼ドラの思い出を綴ってもらった。


 

 昼ドラマが終了する。

 始まった当初は、NHKの朝ドラとあまり大差ない内容で、「女の目から見た世界」を描いていた昼ドラだが、だんだんと「毎回楽しみにしている」とは人に公言しにくい偏りを見せるようになった。

botabara0229

『牡丹と薔薇』(C) 東海テレビ/ビデオフォーカス

 

 朝ドラや夜のゴールデンタイムに放映される恋愛ドラマが、たとえ「女向け」といっても、「女以外の男や子どもや老人も見る」ことを前提に作られているのに対し、昼ドラは「女向け」のみを煮つめるがごとく、とことん突きつめ差別化し、女にしかわからない「生理的な物語」を供給する専門枠となった。

 まだSNSのなかった時代、女たちは心の奥のひそかな湿り気を、昼ドラを介して共感しあってきたのである。

 ポーラテレビ小説の『文子とはつ』('77年)の「乳姉妹」といった、粘度の高い設定。東海テレビの『愛無情~日本ジャンバルジャン物語~』('88年)『新金色夜叉・百年の恋』('90年)といった身もフタもないタイトルのベクトル。

 『愛の劇場』(TBS系)の、小川範子、中澤裕子、森尾由美、鈴木亜美といった、錚々たる元アイドルの再雇用市場っぷり……。その懐の広さ、もはや宇宙。

 女の共感の場としての役割を終え、消滅する昼ドラであるが。「昼ドラじゃあるまいし」「まるで昼ドラみたい」といったコンセンサスは広く浸透したまま、それが消える日はないと思われる。昼ドラとは、ある意味、ひとつの文化だったのだ。

 昼ドラはなくなっても、世の中から「昼ドラ的」なものがなくなることはない。失って初めて心安らかに思いを馳せられる、日本女性の心の徒花。さようなら、そしてありがとう。昼ドラフォーエバー……!

関連記事

ドラマ裏話
今井舞のドラマ批...

識者『逃げる女』イチオシ

2016年02月06日(土) 11時00分
〈週刊女性2016年2月16日号〉
その他
今井舞のドラマ批...

識者、長瀬智也に辛口批評

2016年02月05日(金) 11時00分
〈週刊女性2016年2月16日号〉
その他
今井舞のドラマ批...

識者、SMAP独立でドラマに期...

2016年02月04日(木) 11時00分
〈週刊女性2016年2月16日号〉
ドラマ裏話
今井舞のドラマ批...

石原さとみ ラブコメ復活の鍵か

2015年11月07日(土) 11時00分
〈週刊女性11月17日号〉
ドラマ裏話
秋ドラマ批評

『下町ロケット』ヒットの要因

2015年11月05日(木) 16時00分
〈週刊女性11月17日号〉
ドラマ裏話
今井舞がドラマ批...

秋ドラマ 徹底的に原作を再現

2015年11月04日(水) 16時00分
〈週刊女性11月17日号〉

オススメ記事

お笑い芸人
8月12日発売、...

キンコン西野がビジネス書を出版

2016年06月24日(金) 16時00分
〈文/西野亮廣【連載第1回】〉
インフォメーション
9月から大阪&a...

「おそ松さん」舞台化に密着

2016年06月23日(木) 18時00分
〈「週刊女性」本誌よりお知らせ〉
文化人
直撃インタビュー

フィフィ、ファンキー謝罪を斬る

2016年06月10日(金) 11時00分
〈週刊女性PRIME〉
女性
高須クリニック・...

高須院長、矢口は「悪くない」

2016年06月10日(金) 05時00分
〈週刊女性PRIME〉

ページトップ