――練習しなくて本当に大丈夫だろうかと思ってしまうのは、余計な心配でしょうか?

ありがとうございます。心配してください。感謝しまーす。はい!

 6月20日の深夜。羽田空港内を颯爽(さっそう)と歩く金髪の男は、直撃取材に不敵に微笑んだ。サッカー日本代表でいちばんの影響力を持つと言われるエース・本田圭佑だった。わずか5日間の日本滞在を終え、ドバイへと向かうところだった。

「本田は今季まで、セリエAの名門チーム・ACミランで背番号10番を背負っていました。3年半の契約期間を満了し、7月1日からは無所属。新天地を探すことになります」(スポーツ紙記者)

 セリエAは現在、オフシーズン。ほかの選手は旅行に出かけたり、恋人と過ごしたりと思い思いのバカンスを満喫しているが、本田はひと味違った。

「彼のホームページで、6月13日~25日までの予定が発表されました。見てみると、そのほとんどが“ミーティング”。トレーニングは13日間の中で、わずか30分間だけ。いくらオフとはいえ、これじゃまるでビジネスマンのスケジュールですよね(笑)」(サッカー専門誌ライター)

 予定を見ると、日本以外にも中国やUAE、ウガンダなど世界各国を回っている。また、難民キャンプの訪問や大統領婦人といった要人と面会も行うなど休む暇もない。

6月20日の夕方には財務省を訪れ、麻生太郎財務相とも対談を行ないました。最近では、同じ高校出身の元文部科学大臣である馳浩氏も“俺の後継者になってほしい”と夕刊紙のインタビューで語っています。本人は否定していますが、将来の政治家転向もささやかれていますよ」(前出・サッカー専門誌ライター)

 自身のSNSでも積極的に若者の自殺問題や受動喫煙防止法について意見を発信している。そんな本田の姿勢に、疑問を抱く人も少なくない。

「'15年にはオーストリアのプロチームの運営権を本田さんの事務所が取得しています。ほかにも、香水をプロデュースしたり、スポーツマン向けのヘッドフォンを開発したり、国内で66校のサッカースクールを運営するなど、ビジネスの幅をどんどん広げています。

 でも、来年にはロシアW杯が控えていますし、今だって最終予選の真っ最中。絶対に負けられない試合が続く中で、ビジネスに精を出す姿を見ると、サッカーに軸足を置いているのか、サッカーは片手間なのでは、と不安になるファンもいます」(前出・スポーツ紙記者)

 かつてはインタビューで「日本をW杯で優勝させる」とまで言い放った。そのときの熱い姿勢は見る影もなく、サッカーへの熱を語らなくなってしまったけれど、大丈夫なのか。そこで本人を直撃すると、ニヤリと口元を緩めながら冒頭のような返事が帰ってきた。

――本当に忙しそうですけど、これからはサッカーよりもビジネスを優先させていくのですか?

(首を振り)違いますね

 W杯の本戦まで1年を切った。“ビジネスよりサッカーが大事”と明言してくれた日本のエースは、ビッグサプライズを仕込んでくれているに違いない。