「まさかって……。見つけたときはびっくりしすぎて涙が出ないんです。夢か現実かもわからない。とにかく心臓マッサージに必死でした。“萌景が首つっとる!!”って叫んだのだけは覚えています」

 亡くなる前日に宿泊した友人とその母親から、通夜の日に衝撃的な事実を知らされる。

「20日の晩、萌景は30分ほど佐々木社長と電話で話していたんです。21日の朝、車の中で友人に“私は何も悪いことをしていないのに謝らされた”“社長から1億円払えって言われた”と話していたことを教えてくれたのです。それを聞いて、亡くなった日に“社長に会うのが怖い”と言っていた意味がわかったのです」

 だが、所属事務所社長の佐々木氏は、パワハラや“1億円払え”などの発言については否定している。

10月11日、弁護士と都内で会見した母・幸栄さんと姉・可穂さん
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【写真】パワハラ社長が萌香さんに送っていたLINEでのやり取りがリアルすぎる

 それでも、幸栄さんは16歳の娘を失ったことで、後悔の念に駆られている。

「昨年6月に通信制高校での単位が危なくなったので事務所に“辞める”って言いに行ったときに、ちゃんと辞めさせておけばと。自殺の兆候はまったくなかったんですよ。でも、亡くなる前日に事務所を出て数分後、私もいる車の中で“自殺”のことをスマホで検索していたことが後からわかったんです。そのときは涙が止まらなかった。何であのとき、私に話してくれなかったんだろうって……」

 家族を失った悲しみは日常と隣り合わせでやってくる。

「夕食を考えるとき、今までは萌景を合わせて5人分用意するんですね。でも、亡くなってからは食事を作ろうって思うと“ひとり少ないんだ”っていつも気づかされて、涙がバーッってあふれてくるんです。佐々木社長にはとにかく真実を話してほしい。できることならば、今すぐにでも娘を返してほしいです……」

 母の慟哭が彼の胸に届く日は来るのだろうか─。