「SNS」「借金」「上司」の3ワードに要注意

 今は昔、デート商法も路上で女性に声をかけられることが主だったが、今ではその出会いの場も変わってきている。

「2010年度ごろからスマートフォンの普及に伴いSNSを通じて知り合う事例が増加していきます。最近ではマッチングアプリなどによるものも増加していますね」

 と現状を明らかにするのは国民生活センターの担当者。被害は増えているのか。

「全国の消費生活センターに寄せられたデート商法の相談件数は'08年度に714件だったものが、'17年度は454件と減少しています。商材も微妙に移り変わっていますが、アクセサリー類は扱いやすいこともあり常に入っています。最近では競馬の予想システムやFXに関する情報商材が多いですね。少し前なら投資用マンション。さらにその前になると絵画ですね」(同・担当者)

 40代の男性は過去にこんな被害に遭ったと振り返る。

「昔、キレイなお姉さんに路上で声をかけられてさ、画廊に入って絵を買っちゃったんだよね……。35万円ぐらいだったかなぁ。かわいかったからついつい……高い買い物だったよ」

 実際に記者も都内を歩いて回ると、絵画を販売する店舗前で通行人にひたすら声をかけ続ける女性の姿が。チラシを受け取ってみると──。

「画廊の宣伝をしていたんです。ぜひ見て行ってください」

 30代後半ぐらいのかわいらしい女性が話しかけてきた。

──絵はわからなくて……。

「大丈夫です! 絵に興味のない方に興味を持ってもらうために活動する感じなので。やりがいを感じてます」

 店内に通されると氏名、住所などの記入を求められた。店内には50万円から80万円ほどの高額な商品もあれば、数千円の安いものも。いろいろ見ようかなと思ったところでポストカードなどをすすめられた。お金を持っていないように見られたのだろうか。

 3枚で2000円というので購入して店を出た。高額商品をすすめられることはなく、恋愛感情をくすぐる言葉もかけられなかった。まっとうな画廊なのかもしれない。

「ほぼ同じエリアで約20年前、ボディタッチの多い画廊があってデート商法の巣窟だった。恋愛経験の少なそうな男性が声をかけられ、興味のない絵画を買わされていた。女性の上司が出てきて追い込まれるんです」(全国紙社会部記者)

 近年ではこんな手口も目立つと、前出の国民生活センターの担当者が話す。

「クレジットカードや消費者金融で借金をさせて強引に買わせるんです」

 実際に消費生活センターに寄せられた相談事例では、20代の女性がマッチングアプリで知り合った男性と会った際、事務所に連れていかれ、アクセサリーをすすめられたという。

 定価70万円を減額すると言われたが、お金がないと伝えると消費者金融での借り入れをすすめられた。相手に好意を持っていたことや、今日を逃したらもうないと言われ30万円程度の借金をして購入してしまったという。

「SNS、借金をさせる、上司が出てくる。この3つのキーワードがそろったら要注意と考えていただきたい」(同前)

 40代女性からの相談が増えているという。ネットで知り合った意中の異性に上司を紹介されたら注意しよう。