大河ドラマ『いだてん 〜東京オリムピック噺(ばなし)』でダブル主演を務める六代目中村勘九郎阿部サダヲ。リレー形式で進む物語のため撮影ではほとんど会えないと話す2人は、久々の再会に話が弾んでいる様子。なかなか機会のない貴重なツーショット取材でたくさん語ってもらいました!

役どころもセリフ量も正反対な2人

阿部 宮藤(官九郎)さんらしい脚本で、勘九郎さん側のドラマと、僕側のドラマが、落語でリンクされているんです。最近は落語のドラマも多く、みなさんにも親しんでいただけるのではないかなと思います。

勘九郎 普通の人が書いたらゴチャゴチャになっちゃうんじゃないかと思うほど、時空を超えて明治から昭和にかけての物語が描かれていて。それがすごく面白いんですよ。自分が出演している、していない関係なく、いつも新しい台本が楽しみでしかたがないんです。

 勘九郎が演じる金栗四三は日本で初めてのオリンピックに参加した選手、阿部が演じる田畑政治は日本に初めてオリンピックを呼んだ男として、ともに日本の“オリンピック”の歴史を語るうえでは、欠かせない人物だ。しかし、その役どころは正反対で……?

勘九郎 僕が演じる役は、ひたむきにずっとマラソンと向き合っている人物で、ただひたすらに走っているシーンが多いんです。一方で阿部さん演じる田畑さんは毎回、怒濤(どとう)のようにしゃべり続けていて。阿部さんの1話分のセリフ量が、僕の全登場シーンのセリフ量と同じくらいなんじゃないかな(笑)。

阿部 金栗さんはマラソンで呼吸法を習得された方なのに対して、田畑さんは呼吸を忘れてしゃべり続けるんです。“息継ぎをしろ”って周りから言われるような人なので、覚えるセリフ量が……ヤバいですね(笑)。