いよいよ平成最後の年が始まり、新たな時代の幕開けに世間でもさまざまな動きが見られる。皇室関連でいえば、2月24日に、天皇陛下の『在位三十年記念式典』が国立劇場で開かれる予定で、国民も両陛下に対して改めて感謝の気持ちを抱くことだろう。

「今年の4月10日で、両陛下はご結婚60年をお迎えになります。在位30年という節目とも重なるメモリアルな年といえます。

 ちなみに、在位20年とご結婚50年の節目には、それぞれ記者会見が開かれました。宮内記者会は、今回も記者会見を打診していますが、開かれる予定はありません。そのかわり、ご退位の直前に国民への“ビデオメッセージ”が配信される可能性があるそうです」(皇室担当記者)

'89年に昭和天皇が崩御した後、間もなく小渕恵三官房長官(当時)が新元号を発表した
'89年に昭和天皇が崩御した後、間もなく小渕恵三官房長官(当時)が新元号を発表した

 お代替わりのちょうど1か月前である4月1日、「新元号」が公表される。

「安倍晋三首相が、国民生活への影響を考慮した結果、この時期に決定したそうです。

 元号は“漢字2字”“書きやすい”“読みやすい”などの6条件が求められます。元号の原案は、漢文学や国文学、歴史学者など複数の識者が内密に作業を進めていますよ」(宮内庁関係者)

 次代の新元号は、いったいどんな2文字になるのだろうか─。

 4月30日に天皇陛下がご退位、5月1日に現在の皇太子さまが“新天皇”に即位される予定だ。退位と即位は、どのような行事日程で行われるのか?

『上皇』と『上皇后』になられる両陛下
『上皇』と『上皇后』になられる両陛下

「皇居・宮殿で『退位礼正殿の儀』が行われ、陛下が国民へのおことばを述べられます。

 日付が変わった瞬間に陛下は『上皇』、美智子さまは『上皇后』になられると同時に、新天皇が誕生し、雅子さまが皇后になられます」(同・宮内庁関係者)

 前回のお代替わり当時、宮内庁に勤務していた皇室ジャーナリストの山下晋司さんは、今回のお代替わりについて次のような感想を語る。

美智子さまのご動静など、どこまで公表される?

前回のお代替わりを経験した者からすると、別の出来事のように感じています。前回は、新天皇の即位よりも昭和天皇の崩御が大きなニュースであり、社会も悲しみに包まれていました。即位直後に行われた『剣璽等承継の儀』、『即位後朝見の儀』も喪中ですから天皇陛下も参列の方々も喪服でした。今回、儀式は前例どおり行われますが、喪服ではありませんし、天皇陛下のお気持ちを国民が理解した結果の譲位ですから、悲しみはなく“お祝いムード一色”ですね」

喪服で『即位後朝見の儀』に臨まれた陛下('89年1月)
喪服で『即位後朝見の儀』に臨まれた陛下('89年1月)

 新たな天皇陛下が即位された後、現在の両陛下が国民の前にお出ましになる機会はあるのだろうか?

「'20年の1月2日の『新年一般参賀』に上皇、上皇后がお出ましになる可能性はあります。ご退位後の上皇、上皇后の私的なお出ましは発表するのか、取材は設定するのか、お誕生日用の写真は出すのかなど難しい問題があります。二重権威を助長しないように、慎重に対応する必要があるからです。ただ、おふたりのご様子は国民も気になるでしょうから、何も知らせないというわけにもいかない。ですから、他の公務とは位置づけの違う一般参賀だけはお出ましになるかもしれないのです」(山下さん)