「新幹線。すげー不愉快。みんなマナーは守ろうね」そんなコメントとともにNON STYLE石田明のツイッターにアップされたのは、新幹線の後部座席の乗客が、靴を脱いで石田の座席のひじ掛けにまで足を伸ばしている写真。この苦言に多くのユーザーから反響が巻き起こり、迷惑客がいかに“あるある”な存在なのかが明らかとなった。夏休みが始まり、旅行や帰省などで新幹線利用者が増えるなか、放送作家でNSC東京の講師も務める野々村友紀子が遭遇した“事件”とは──?

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 夏休み真っただ中ですね。帰省やレジャーで新幹線に乗る機会も多くなる時期です。

 先日、ノンスタイル石田くんが遭遇した「靴下足乗せ事件」。新幹線でのマナー違反が話題になりました。

 ほんま信じられない自分勝手人間がいたもんやで。しかも、グリーン車で! グリーンは足元に足置きあるやん! わざわざJRが特別につけてくれてんねんから、そこに足置けよ! もしプライベートの小旅行で奮発してウキウキとグリーンに乗ってこんなんされたら、新幹線名物・熱々コーヒーを、うっかり悪気なくひじ掛けにこぼしちゃうかもしれません。

 公共の場ではひとりひとりが周りのことを考えてマナーを守る。この投稿によって、当たり前のことを改めて考えさせられました。新幹線でのマナー違反も少しは減ったんじゃないでしょうか。

 と、思っていた矢先。先日、違う種類のマナー違反、「小さな小さな靴下事件」に遭遇したのです。

 私の席の前には、3人のお子さんを連れた6人家族が縦横に分かれて座っていました。その周りにも別の家族連れ。多少の子どもの泣き声や笑い声は、長期休暇の風物詩。公共の乗り物ですから、ある程度はお互いさまです。

 しかも私は常々、子どもは日本の宝、どんなうるさい子もどんな生意気な子もやがて日本を背負って立つ大人になる、貴重な「子ども様」だと思っているので、子どもを見ると心の中で拝むくらい、大事にしたい派の人間です。

誰も子どもを注意しない状況に……

 そして私自身、2人の子が赤ちゃんのころから帰省でよく新幹線を利用しているので、子連れお出かけの苦労は痛いほどよくわかります。なので、「電車で赤ちゃんを泣かせるな、うるさい!」とか「電車にベビーカー畳まず乗せてくるな」と平気で言う人間の顎あたりには、水平チョップをかましたい派です。

 なので、今回も心の中で「みんな2〜3歳かな? 大変ですねー、お察しします。私のことはあまり気にせずどうぞー、レッチリを爆音で聴きながら仕事しておきますから」と余裕のよっちゃんでイヤホンをつけ、パソコンに向かったのでした。

 そんな私が、10分後には「おいおい嘘やろ!? うっせえな!!(心の声)」とイヤホンをむしり取るくらい、今日の子ども達はすごかったのです。

 これがもし、泣いていたならまだ「あらー大変」と思えたかもしれない。が、そうではありません。

 思えば最初から変でした。

「ねーえ! それ取ってーぇ!」

「これ見てーえ! ねーえ! ねーーえ! ばあば!! ばあば!!」

「きゃーあ! ギャハハ! やめてーー!!」

 3人のお子さんそれぞれが発する声は、家でのボリュームどころか、遊園地や野球場のボリューム。レッチリの向こう側からずっと聴こえてくるので、何度かボリュームを上げたほどですが、それでも防げません。しかも、誰も注意をしていない感じ。これが一番いけない。