本当に些細(ささい)なことで、ヘソを曲げてしまう中年がいます。“大人げないなぁ”と思うのですが、そうした方たちは、社会的地位があり、高学歴、高収入の傾向にあります。

 婚活ライターをしながら、仲人としてもお見合い現場に関わる筆者が、目の当たりにした婚活事情を、さまざまなテーマ別に考えていく連載。今回は、「すぐにおヘソを曲げちゃう困ったオジちゃま」のお話です(笑)。

「予定を変更してやったのに、なんだ!」

 美知枝さん(41歳、仮名)が、山下さん(55歳、仮名)からお見合いのお申し込みをされ、受諾をしました。14歳年上の山下さんのお仕事は、大学教授。

「私の知らない世界を知っていらっしゃるでしょうし、学生さんと日ごろから接していたら、きっとお気持ちも若いと思います」

 そんな理由から、美知枝さんは、山下さんに興味を持ったようです。

 仲人型の結婚相談所では、まずはお見合いできる候補日を、お互いに3つくらい出してもらいます。それを仲人間ですり合わせ、日程を決めていくのです。

 美知枝さんと山下さんのお見合いは、8月の第3週目の土曜日、11時と決まりました。

 ところが、決定した翌日、山下さんのお仲人さんから連絡がきました。

「申し訳ありません。山下はその日、午前中に予定が入ってしまったといいます。11時ではなく、15時にしていただけないでしょうか?」

 それを美知枝さんに伝えると、「私はその日、終日空いているので15時からでも大丈夫ですよ」というお返事。そこで私は、山下さんとのお見合いは15時、11時からは、美知枝さんと別の男性とのお見合いを組みました。

 翌日、また山下さんのお仲人さんから、ご連絡が入りました。

「山下が、午前中の予定を動かしたようです。最初に決めた11時でお願いします」

 さて、困りました。山下さんが11時はダメだとおっしゃったから、すでに別の男性とのお見合いをその時間に組んでしまった。そこで、山下さんのお仲人さんに、「昨日11時はダメだとおっしゃったので、別の予定を入れてしまいました。15時でお願いします」と申し上げました。

 すると翌日、山下さんの相談所から、お見合いキャンセルの連絡が入りました。お仲人さんのメッセージには、こんなことが書かれていました。

「本当に申し訳ありません。『こっちが予定をキャンセルして、女性側に合わせてやったのに、なんだ!』と、おヘソを曲げてしまったようです。いい年なのだから、もう少し大人になってほしいものです」