今年9月、いよいよフィギュアスケートの2019―2020シーズンが始まり、羽生結弦が今季初戦を制すなど、ますます盛り上がりを見せている。

 そんな中、かつて、氷上のスターだった元フィギュアスケート選手の浅田真央も“別のフィールド”で大活躍。『24時間テレビ』(日本テレビ系)で初のチャリティーパーソナリティーとして出演し、注目を浴びた。

「浅田さんは、約2か月をかけて、ろう学校の生徒たちとタップダンスを練習し、本番でも見事に成功させるなど、同番組に大いに貢献してくれたんです。その甲斐もあり、昨年の平均視聴率から1・6%も上がった16・8%、募金額に至っては、昨年から2・5倍も集まったんですよ」(日本テレビ関係者、以下同)

急遽用意された“2分間”

 24時間という長時間の生放送に出演し続けるのは、体力的にもそうとう大変だったはずだが、最後まで笑顔を絶やすことはなかった浅田。

 タップダンスの企画以外にも、浅田ならではのこんなコーナーも放送された。

「24日の深夜帯に放送された『嵐にしやがれ』で、真央ちゃんが謝りたい人として、小学5年生から中学3年生の5年間、お世話になった山田満知子コーチがスタジオに登場したんです。当時、村上佳菜子選手と一緒に、山田コーチのアメをくすねていたことを謝罪するという微笑ましいコーナーが放送されたんです」

 このコーナーが約20分間ほど放送され、いったん別の企画に移ったのだが、その後、浅田からこんな提案があったそうで。

「真央ちゃんから“山田コーチに伝えたいことがあるから、もう一度、山田コーチに登場してもらえないか”と、スタッフに打診したそうです。1分1秒単位で細かく設定されている生放送でしたが、真央ちゃんの思いを汲んだスタッフは、別企画が終わってから50分後くらいに、再び山田コーチにスタジオに登場していただいたのです」

 急遽用意された約2分間で、浅田から山田コーチに伝えられたのは、今まで言えなかった“感謝の言葉”だった。

真央ちゃんが15歳のときに体調を崩して練習ができなかったことと、当時のリンクの状態が悪化していたことが重なった際に、山田コーチから“リンクとコーチを変えたほうがいいんじゃない?”という話を、真央ちゃんのお母さん経由で伝えられたそうです。

 そのときに、お世話になった山田コーチに何も言えずに離れてしまったことを申し訳なく思っていたそうで“本当は、今回の24時間テレビでそのことを伝えたかったんです”と、話していました。10年以上越しでしたが、恩師に対する感謝の思いをきちんと伝えたいという、真央ちゃんの誠実さがわかる感動的な場面になったんです」

 この浅田の提案に関して、日本テレビ広報部に問い合わせたところ、次のような回答があった。

「今回、24時間テレビ内『嵐にしやがれ』に、浅田真央さんが感謝の気持ちをお伝えしたい相手ということで山田満知子コーチにご出演いただきました。

 しかし、生放送ということもあり、予定されていたコーナー内で、その気持ちを十分に伝えきることができなかったため、改めて番組後半に、浅田さんご本人のお気持ちを伝えていただく時間を設けました

 氷上を離れても、恩師への感謝を伝えた義理堅い浅田。今後も、その誠実さで日本中を明るく照らしてくれるはずだ――。