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 実にまれなケースではあるが、日常の不調を突き止めていったら難治性の病気だった、という現実はある。原因がわからないつらさ、診断が下らずに長い間病院を転々とせざるをえない実情……。専門の医師も少ないため、確定診断に至るまでには誰もが遠回りを強いられ、症状の悪化に苦しめられる。

 加えて、病気の認知不足や誤解も多く、周囲の人たちからの無理解にも苦しめられる。いま現在でも、自分の感じ方や弱さのせいなのかと苦しむ人たちも多数いるのだ。

 当事者たちの生の声を、自分の健康を守るためのみならず、目に見えない病気に苦しむ人々を理解するためにも役立てたいものだ。

激痛と意識朦朧の疲労感に苦しんで

【線維筋痛症、慢性疲労症候群/海山みどりさん (仮名・30歳)】

 発症してもうすぐ3年、診断されて1年半たちました。仕事で重いものを運んだとき、腰痛で入院したのが最初。歩くのに杖が必要なほど痛みがあったものの、レントゲンやMRIなどの検査で異常がなかったので退院するしかなく、仕事が忙しくて休めずにいたら悪化。

 思い切って休職し、安静と運動を努力するもスッキリ治る気配はまるでなし。悪化と小康状態を繰り返しながら、慢性化しました。

 そのうち疲労感も現れ始め、焦りから無理をすると次は全身に痛みが! 退職を余儀なくされました。地元には診察できる病院がないので、痛みをこらえて遠方への通院を繰り返したところ、限界が来たのか取り返しがつかないほどに激化。ほぼ寝たきりの生活に突入しました

 その後、理解ある開業医と出会い、線維筋痛症と慢性疲労症候群と診断されました

 同じ病気で苦しんでいる方がいたら、病院探しや通院のために無理をしないでほしい。病気に関して懐疑的だったり、心理的苦痛に対して理解のない医師なら転院したほうがストレスがないので治癒につながります。

 知識のある専門医が大都市にしかいないのも問題です。通院自体が悪化につながるのに、大勢の患者さんが無理して通わざるをえない状況なのです。

 病気のいちばんひどかったときの症状を言葉にすると、線維筋痛症は筆舌に尽くしがたい痛み、これに尽きます。出る症状は人それぞれですが、私の場合は全身の自発痛と圧痛。それはまるで血管の中をガラス片が流れるようなざりざりとした内側の痛み、巨大な鳥に巨大なくちばしで全身をブチブチ食いちぎられるような痛みなど、あらゆる耐えがたい痛みが全身をめぐります。

 加えて、全身が痛覚になったようで、身体へのわずかな圧力もすべて痛みに変わってしまう。ものに触る、横になる、座る、歩く、食事、入浴、スマホをタップする……、生活動作全般が痛みに変換されてしまうんです。家の中でも介助式車椅子を押してもらっていて、診断後は一歩も外に出られていません