今年いっぱいでグループでの活動を休止する嵐。今では国民的アイドルとして輝かしい功績を残しているが、ブレイクするまでには多くの苦難を経験してきた。テレビには映らない“Beautiful”な軌跡を、関係者の証言とともに振り返る―。

 いまや国民的アイドルとして、老若男女問わず、多くの人に名前が知れ渡っている嵐。デビューから21年がたった今年は、4月の中国・北京公演をはじめ多くのビッグイベントが控えている。

 5人は順風満帆にアイドルとして王道を突き進んできたようにも見えるが、ここに至るまでの道のりは楽なものではなかった。テレビには映らないところで、多くの壁に直面したからだ。グループの活動休止まで残り11か月となったいま、メンバーが見た光と闇を振り返る─。

“この子たちがデビューして大丈夫なの?”

 '99年9月、アメリカのハワイ州ホノルル沖で嵐のデビュー発表会見が行われた。

 ハワイで、“未来のスーパーボーイ”たちを取材したカメラマンのAさんは、誰がデビューするかなど、事前情報はいっさいないまま現地に行ったと苦笑する。

「アイドル誌の編集長やスポーツ紙の記者など、20~30人くらいが集まっていました。報道陣の間では、当時ジャニーズJr.の中で人気が高かった、“滝沢秀明さんと山下智久さんの両方かどちらかがいるのでは?”と話していました。

 私たちはクルーザーに乗って、デビューするメンバーが乗っている船に接近すると誰がいるかわかるという趣向でした。でも、船に乗っている顔ぶれを見ても誰だかわからなかった。報道陣からは、 “この人たちがデビューして大丈夫なの?”という声もあがっていました(笑)

 ただ、取材を続けていくうちに、嵐の持っている穏やかな空気感に気づく。

「5人はみんないい子だったという印象ですね。'97年にデビューして以来、大人気だったKinKi Kidsは当時こちらの取材にあまり心を開いてくれず、周りのスタッフもピリピリしていました。嵐は対照的に、変な緊張感がありませんでした。彼らとディズニーランドに行くイベントでは、報道陣と一緒に記念写真まで撮ってくれたほど。メンバーのまとまりがよく、毎日顔を合わせているのに、あそこまで仲がいいのはいつも感心していました」(Aさん)

 “癒し系”の嵐は、徐々に知名度を上げていった。

「コアなファンよりも“みんなの嵐”という感じで、親子で応援している人が多かったですね。男性のファンも多かった印象です。ほんわかした雰囲気ながら“グループのために”という熱い思いを持っているので、そこが同性からも支持を集めたのでは」(Aさん)