開業医にとどまらず、月1回は大学病院で産婦人科外来を受け持つなど精力的に診療にあたっていた。

 自らの医院では人工授精を含めた不妊治療や緊急避妊薬の投与、更年期障害治療など婦人科分野のほか、ダイエットやシミ・ニキビ治療、耳ピアス、ワキやデリケートゾーンの脱毛といった美容分野まで幅広く手がけ、インターネットなどで宣伝していた。

すごいビジネス臭

 20代前半のときに妊婦として同院に通った女性は、

「私はいかがわしいことはされなかったけれども」

 と前置きして、次のように話す。

「妊娠で通院していたのに、“手が荒れているね。いいアロマクリームがあるよ”などとすすめられた。保険外診療が多く、料金がかさむんですよね。シミ取りだって1ミリあたりの単価は高いし、事件発覚前から2度と受診することはないと思っていた」

 ほかにも、1回行っただけでやめた女性患者は少なくなく、その理由は「料金が高い」(60代)、「あれこれすすめられるのが苦痛」(30代)などと金銭面で抵抗を感じる声が目立った。

 たしかに商魂たくましいというか、入会金1万円で美容・ダイエットの年間会員を募集するなど医者とは思えないほどビジネス臭を漂わせている。

 商品販売にも力を入れており、医院のオンラインショップでは妊活手帳やサプリメント、各種クリーム、オリジナルコスメ、果てはオリジナル製作したピアノCDまで売っていたから度を超えている。

オリジナル製作したCDミニアルバムも販売
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 ブログやFacebookなどで治療・商品PR込みで発信する機会も多く、テレビの情報番組にも出演していた。

 事件の報道を受け、日本産婦人科医会はすぐ会長名で「女性、妊婦はもとより、国民を裏切る最も恥ずべき行為」

 などと断じる声明を発表し、事実確認したうえで除名を含め処分を検討するという。

 外来を受け持っていた大学病院は、「この病院で治療にあたってもらうことはもうないと考えている」(担当者)

 容疑者はFacebookで、好きな言葉に「自問自答し行動に移す」と挙げていた。

 今回は、まったく真逆の犯行で、ネット上のその言葉も削除されている……。