「3月20日からの3連休は好天に恵まれ、気温も上昇しました。それで気が緩んでしまったのか、埼玉でK―1を観戦したり、上野公園へ花見に行ったり、浅草に出かけたりしましたよね。

 加えて、海外からの帰国者が多かったことが、東京都の感染者が爆発的に増えた原因だと思う」

 と感染症と渡航医学に詳しい関西福祉大学の勝田吉彰教授。一方、感染症専門医である東京・品川区の「KARADA内科クリニック」の佐藤昭裕院長は、

「コロナの潜伏期間は2~14日なので、一斉休校から1週間後(3月10日ごろ)には、都内でクラスターが同時多発的に発生していたのではないかと推測しています。しかし、これだけ一気に感染者が出てくると、感染経路がわからないのもうなずける状況です」

しばらく続くことになる

 東京五輪延期が決まった直後の3月25日から連日、東京都で40人以上もの新型コロナウイルスの感染者が出たことに、専門家の間でも意見が分かれている。

 26日に、小池百合子東京都知事がリモートワーク(在宅勤務)や夜間の外出自粛を含む「外出自粛要請」を表明すると隣接する県も同調。

 週末の都内への移動自粛などの要請を出した。

「外出自粛要請は1週だけでは終わらず、しばらく続くことになるでしょう。さらに感染者が激増するような事態になれば、ロックダウン(都市封鎖)も十分にありうると考えています」

 と勝田教授が言うように、少なくとも4月12日まで自粛要請は続くようで、ロックダウンも現実味を帯びてくる。

 ロックダウンといえば、外出禁止や公共交通機関の停止やイベントの禁止など、私権を大幅に制限する法令。

 '01年の米国の同時多発テロや'15年のフランスのパリ同時多発テロのときなどに発令されたことがあり、対テロ対策の強制的措置の色合いが強いものだった。

 新型コロナの発生源となった中国の武漢で実行され、ゴーストタウン化した街並みの映像を覚えている人も多いはずだ。