「うがいで、のどについたウイルスのほとんどを落とすためには、20分間ずっと、うがいを続けなければならない。相当しんどいので推奨しません」

 と感染症専門医で東京・品川の『KARADA内科クリニック』の佐藤昭裕院長。

マスクのプリーツの位置確認を

 マスクの着用についても、

「細かい飛沫で浮遊するウイルスを防ぐ手立てはありません。家庭用マスクをつけていても通り抜けてしまいますから。医療従事者用の『N95マスク』ならば微粒子をほぼキャッチできますが、一般の方は入手できません。家庭用マスクは感染者が飛沫を飛ばさないためのものと考えてください」(同)

 と過信をいさめる。

 世界中で新型コロナウイルスとの対決が長引き、ついに日本でも緊急事態宣言が発令され、日々報じられる関連ニュースの情報は増えるばかり。

 感染を防ぐために個人ですべきことを改めて頭に叩き込んでおきたい。

 このウイルスは、感染者のくしゃみや咳、大声を発したときに放出される飛沫や、ウイルスが付着した手で触れたものに接触して拡散する。

 マスクは自分が感染源にならない役には立つが、

「プリーツ(ひだの部分)の先端が下向きになるほうを外側にしないと、溝にウイルスやほこりがたまってしまいます」と前出・佐藤院長。

 外務省医務官としてSARS(重症急性呼吸器症候群)に対処した関西福祉大学の勝田吉彰教授(渡航医学)は、

「マスクの両面は触らず、ひもを引っ張って耳にかけてください。鼻の周囲や頬の横に隙間ができていないかチェックしましょう」と指南する。

 感染予防の最も大切なポイントについて、医師でNPO法人『医療ガバナンス研究所』の上昌広理事長は、「圧倒的に手洗いです。しっかりと手洗いすることです」と即答。

 大多数の専門家が手洗いの重要性を訴えている。