引退に至った理由が“自分の才能が枯渇した、曲が作れなくなった”としていましたが、私も現場にいたのですが、周囲の記者の多くが“じゃあ、また曲が作れるようになったら戻ってくるんだろうな”と思っていましたよ」

 とは、2018年1月の“引退発表”会見で取材に当たっていた、芸能ジャーナリストの佐々木博之氏。この度の一報に「やっぱり」と見ていたようだ。

 引退から約2年、小室哲哉が芸能界に復帰することが明らかになった。秋元康がプロデューサーを務めるアイドルグループ『乃木坂46』に楽曲提供するのだという。

「そもそも作詞家や作曲家が引退するというのはあまり聞いたことがありません。書けない、作れないのなら、また作れるようになったときに作ればいいわけで宣言する必要はありません。“批判から逃げる”手段に“引退”を使った印象は否めません。引退するからゴメンなさいね、と」(佐々木氏)

 当時、小室が会見を開いたのは、看護師女性との不倫疑惑を釈明するためだった。

批判の矛先は『週刊文春』へ

 事の発端は、KEIKOが2011年10月にくも膜下出血で倒れたことに始まる。一命を取り留めるも療養とリハビリ生活を余儀なくされた彼女が、実家がある大分県に移り住んだ一方で小室が不倫している、と『週刊文春』がすっぱ抜いたのだった。

 同じく、会見を見ていたスポーツ紙芸能デスクが解説する。

「“肉体関係はなかった”としながらも“けじめをつけるために引退を決意した”と話す一方で、“悔いなし、なんて言葉は出てこない”と未練ものぞかせるなど、本当は引退する気はなかったのでしょう。“引退”というより大きなワードを出すことで“不倫疑惑”を隠す狙いがあったようにも見えます。

 実際、結果的に彼を引退に追い込んだとして、世間はスクープした『文春』叩きに集中し、会見場では“引退しないでください”と懇願する女性リポーターもいたほど(苦笑)。ところが、その後、小室さんはKEIKOさんの介護をしておらず、別居中に提示していた生活費は月額8万円、何よりも彼女が笑顔で取材に応じるまでに回復していたことが報道されたのです。小室さん側は一連のことを否定するでしょうが、もし報道が事実であれば、批判から逃れたるために嘘をついたと思われても仕方がない状況なのです」

 今年3月には夫婦の離婚調停が始まっていた。このタイミングでの復帰に佐々木氏は、

「KEIKOさんとの離婚が成立したのかもしれませんね。離婚が成立していない状態で仕事を再開してしまうと、その分の収入も財産分与などの形で持っていかれることも考えられますからね」