俳優の三浦春馬さんが、30歳という若さで逝去した。所属事務所から詳しい発表はされていないが、報道によると18日午後1時、東京・港区の自宅マンションのクローゼットの中で首を吊り、自殺したとみられている。

 樹木希林さんの言葉から学んだ「俳優」であること、そして「生きること」を語っていた、週刊女性2020年1月1日号のインタビューを再掲する(以下本文は掲載当時のまま)。

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 '19年は、『罪と罰』とミュージカル『キンキーブーツ』に出演。舞台俳優としても高い評価を受けている三浦春馬さん。2020年3月上演のミュージカル『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド 〜汚れなき瞳〜』で、アンドリュー・ロイド=ウェバー作品に初挑戦する。

 三浦さんは、無垢な少女にキリストの生まれ変わりと信じ込まれてしまう脱獄犯「男(ザ・マン)」を演じる。新たな役柄と完全なるミュージカルに挑む心境を聞いた。

オファーへの疑問から一転、挑戦の理由

「アンドリュー・ロイド=ウェバー作品は『オペラ座の怪人』をロンドンで見たのが最初でした。たしか21歳だったと思いますが、ただただ圧倒されましたね。

 余すところなくステージはもちろん、客席の真上をうねるように使っていた演出は忘れられないです。でも当時は、ミュージカルにプレーヤーとして出演するなんて想像できなかったですし、自分もやってみたいとは思っていませんでした」

 三浦ファンには待ち遠しいロイド=ウェバー作品出演だが、今作のオファーを受けた当初は、少し悩んだ部分もあったそうで。

「自分が本当にこの役を演じきれるのか、演じるうえで高揚できるのか、最初は疑問だったんです。自分に合っているのかどうかわからなくて正直、悩みました。でも、このザ・マンという男が生田絵梨花さん演じるスワローという純粋な女性の心に触れて、彼が持っている闇であったり、世の中が信じられずに自分の存在にさえも疑心暗鬼になっているようなところが、どう浄化されるのか。

 その心の浄化のプロセスをいかに観客の心に届く形で演じることができるか、というところに興味を持って手をあげさせていただきました」