話題の連続ドラマ『その女、ジルバ』(東海テレビ・フジテレビ系、土曜午後11時40分)がいよいよ佳境に向かう。うっすら見えていた複数のテーマがはっきりと浮き彫りになり、より胸にしみるはずだ。

87歳、
年を重ねるほどに増す「輝き」

 主人公の笛吹新(池脇千鶴)はスーパーの倉庫で働く40歳のシングル。いいことが何ひとつなく、砂を噛むような生活を送っていた。けれど、底抜けに陽気な高齢者ホステスたちが働くバー『OLD JACK& ROSE』でバイトを始めると、生きる意味が見えてきて、表情にも明るさが戻る。

 物語の最大のキーパーソンは、くじらママこと久慈きら子(草笛光子)。ホステス全員の母親のような存在だ。新のことも娘のように扱う。

 ホステスの一人であるエリー(中田喜子)を40年前に騙した男(大石吾朗)が現れ、再び彼女に近づくと、毅然と言い放った。

「エリーは私どもの大切な家族。その家族を守るのが私の役目。お引き取りください。そして、もう二度とエリーには近づかないでください」

 エリーには頼れる実際の家族がいない。この物語のテーマの1つは「疑似家族の存在と意義」にほかならない。家族がいない者、故郷を離れて家族の存在が遠い者、家族との関係が悪化している者たちにとって、心を許し合える仲間は家族同然の存在。それを得るのは難しいが、この物語では理想的な疑似家族の姿が描かれている。

 くじらママは包容力と貫禄の人である。87歳の草笛はどちらも備えているので、うってつけだった。一方で美しいから、大学生のJUZO(草地稜之)の憧れの人というのもハマリ役だ。

 草笛は年を重ねるごとに輝きを増しているように見える。美に関して一家言ある萬田久子(62)ですら「草笛さんは私の美の師匠」と公言してはばからないほど。

 その美を保つ秘訣の1つはパーソナルトレーニングらしい。15年前から、舞台に立つための身体作りとして始めた。道理でプロポーション抜群で、肌の露出が多いドレス姿のシーンも様になっているわけだ。