LINEでケンカした翌日に…

「連れ去られた前日、私が都内で自転車に乗っていたら、雨で転んでしまったんです。

 ケガがひどかったので妻に連絡したのですが、“友人と食事中”と言って取り合ってくれなかった。その後、“アホやな、自業自得や”と言われました。それで、LINEでケンカになってしまった

 翌日帰ると、自宅には妻と息子の姿はなかった。息子は生後4か月で、首もすわっていない状態だったという。

「7月7日には妻の誕生日祝いで、息子を両親に預けてフレンチレストランに行った。

 連れ去りの直前にも、彼女は息子と一緒に私の対局を見て応援していたはずなのに……」

 困惑した様子の橋本さん。

「車の中のチャイルドシートまで取りはずされていたんです。彼女は犬が好きで2匹飼っていましたが、あっさり置き去りにしていきました」

 そう言って肩を落とす。

 その後、妻とは何度か話し合い、“衝動的に決めるのはよくない”と説得したが、暖簾に腕押しだった。

弁護士から“慰謝料を支払え”と文書が

「7月31日になって突然、弁護士から“慰謝料を支払え”などと記載された文書を一方的に送りつけられました。

 2人で話し合っている間に、すでに弁護士と離婚の話を進めていた。絶対に許せません」

 それから2年間、橋本さんは対等な条件での面会交渉も拒まれ、一度も息子に会えておらず、写真も見ていない。

 それだけではなく、

「妻の両親にはいつでも会いに来れるよう家の合鍵も渡していました。それが、連れ去りの後、夜中に“ガシャン!”という音がして外に出たらポストに鍵が放り込まれていた。彼女の両親は逃げるように車で走り去っていきました」

 妻は息子を連れて実家に帰ったようで、その後、橋本さんとは会っていない。

 ほどなくして離婚裁判が始まり、橋本さんは精神的に追い詰められる。

「息子が生まれたときに流した涙、毎日入ったお風呂。幸せだった日々は何だったのか。

 茫然として、まともに将棋も指せなくなりました。街で親子を見かけると、吐き気をもよおすほど。生き地獄ですよ」

 食欲も失せ、90キロあった体重は70キロまで減少した。

「2020年の8月くらいに本格的に頭がおかしくなり、10月にはドクターストップがかかって休場しました」

 そんな矢先のこと……。