「今回の件は氷山の一角ですよ。先生は校長も逆らえないほど、学内では傍若無人に振る舞っていました」

 かつての教え子は憤る──。

金を支払わない生徒には恫喝まがいの催促

 愛媛県大洲(おおず)市にある剣道部の強豪校、帝京第五高校で総監督を務めていた男性(62)が4月16日に解雇された。いったい、何が起きているのか。

「(元)監督は毎年、自分の誕生日に剣道部の部員から祝い金を強制的に集めていました。2020年は部員29人から1人5000円、計14万5000円を受け取ったことが明るみになった」(地元紙記者)

 高校生からなけなしの金を巻き上げるなど教育者の風上にも置けないが、

「現金を受け取った際はそれ以上のお返しをしたとのことですが、実際は金を支払わない生徒に恫喝まがいの催促をしていた。

 監督の誕生日は4月。つまり、入ったばかりの新入生は入部していきなり先生に誕生日祝いをさせられたことになります」(同)

 この集金は少なくとも2009年~2014年の間、部の慣習として定着していたことが確認されており、生徒も親も拒むことはできなかったという。

 1982年に帝京第五高校に着任していた監督は体育教師を務めながら、40年にわたり同校の剣道部で指導を続けてきた。2度の全国大会優勝を果たすなど、カリスマ監督として辣腕を振るった。

 学内では副校長まで上り詰め、昨年に定年退職。直後に剣道部の総監督に就任した矢先に発覚した不祥事だった。

 数々の栄誉を手にしてきた監督だが、普段の振る舞いは目に余るものがあったようだ──。

 5年ほど前の様子を知る元生徒のAさんによると、

「当時、近隣のB高校の剣道部に帝京第五の生徒が誰も勝てない強い部員がいました。

 その学校と練習試合をしたときです。監督はその部員を疎ましく思ったのか、挨拶にきた際に“なんだその目つきは”などと難癖をつけて説教を始めました。

 理不尽に生徒が傷つけられたB高校の顧問は怒り、試合を中止にして帰ってしまいました」

 あまりにもあきれたエピソードだが、さらに遡ると信じられないような証言も。