常に指導対象を探して、理不尽に怒鳴り散らす
冒頭の20年ほど前の元生徒、C子さんが明かす。
「仲のよかった剣道部の女の子がいたのですが、ある日校庭ですれ違うと、顔が青アザだらけでパンパンに腫れ上がっていたんです。
どうしたのか聞くと、先生に抜き打ちの手荷物検査をされて、持ってきてはいけない携帯電話を所持していた罰で殴られたと言っていました」
許されない仕打ちだが、
「それでも彼女の親は“おまえが悪い”と突き放した。先生は剣道の世界ではカリスマで、妄信していた親は何も言えなかったようです。
その後、彼女は毎朝、職員室へ通って先生にひたすら謝罪することを強要されていた」
結局、監督に憧れて高校に入学したその少女は、学校が嫌になり退学してしまったという。
C子さん自身も被害を受けていたようで、
「体育の授業の体操で前かがみになっていたら、突然、先生に髪の毛を鷲掴みにされた。
どうやら髪を染めていた別の子を指導しようとしたようなのですが、“間違えた。まあいい、お前も来い”とそのまま指導室まで連れていかれ、理由もなく染めていた子と一緒に説教されました」
あまりに理不尽すぎるが、
「とにかく常に指導対象を探していた。視力がよくて、校庭の向こう側にいる生徒でも突然走って追いかけてきて、意味もなく怒鳴り散らす。
周囲の先生たちも“先生が来たよ! スカートの丈を直して!”と忠告してくれたくらい」
当時からあまりの暴走ぶりに誰も何も言えず、校長も頭が上がらないほどで、実質的最高権力者として君臨した。