パート仲間の不倫話で復活

 続いては、お盛んな友人の影響でセックスフル夫婦になったエピソード。ブティックでパートをしている中村由美さん(仮名・57歳)はある日、同僚から「ここだけの話」を聞かされたという。

「彼女は高校の同窓会で再会した元彼と“ダブル不倫”をしているそうなんです。昼ドラみたいだな〜と思って、興味津々でいろいろ聞いちゃいました。その話を聞いてから、同年代の彼女から色気を感じるようになりましたね」

 一方の由美さんは、不倫どころか夫とのセックスもかなりご無沙汰だった。

「私たち夫婦は子宝に恵まれなかったのですが、昔は妊活のために義務感でセックスしていたので、楽しめなくて。お互い同じ気持ちだったのか、40代に入ってからは妊活もやめてセックスもしなくなって……。でも、会話は弾むし、夫婦仲はいいんですよ」

 夫婦の会話の種として、同僚の不倫話で盛り上がっていると、ふとあることに興味が湧いた。

「彼女たちが利用しているラブホテルについてです。狭い街なので、彼女たちは郊外にあるラブホテルで会っていたのですが、最近のラブホテルはきれいでカラオケもあると聞いて。興味本位から、週末に夫婦で行ってみたんです

 30年ぶりに行ったラブホテルはまさにレジャーランドだった、と由美さん。

「カラオケはもちろん、料理もそれなりにおいしくて感動しました。その後、カラオケに飽きてビデオ・オン・デマンドをザッピングしていたら、間違えてエッチなチャンネルに切り替わっちゃって。最初はふたりで笑いながら見ていたんですけど、なんとなくいいムードになって10数年ぶりにセックスしました」

 それ以来、中村さん夫婦は休日にラブホテル巡りをするようになったという。

「性的好奇心をくすぐる友人の存在により“復活”することも少なくないです。セックスフルのきっかけは、いろんなところにあるんですよ」(三松さん)

スキンシップと刺激が若さと色気の秘訣

 1万組以上の夫婦の悩みにこたえてきた三松さんは「セックスフルなご夫婦はとっても元気」と話す。

「もちろん元気だからセックスができるという面もあります。でもそれだけでなく、“好きだよ”などの愛情表現やマッサージなどのスキンシップの有無は、老後のQOL(人生の質)に大きな差が出ます。アラカンのセックスにはさまざまなメリットがあるんですよ」

 人生100年時代には、肌の触れ合いが必須なのかもしれない。そしてセックスフル夫婦を目指す場合は注意点がある、と三松さん。

セックス=挿入や射精という固定観念を脱却することです。アラカンになると男性は勃起しにくくなるし、女性も濡れなくなるので、若いころのようなセックスはできません。

 まずは、身体の変化を受け入れてふたりで話し合い“自分たちだけのセックス”を定義してください。ある70代のご夫婦は“裸で肌を寄せ合って寝るだけで幸せ”と話していました。これこそ、究極のセックスの形ですよね

 ふたりだけのセックスを追求してみてはいかがだろう。

三松真由美さん ●恋人・夫婦仲相談所所長、コラムニスト。日本性科学会会員。夫婦仲、恋仲に悩む女性会員1万3000人を擁するコミュニティーを展開。セックスレスや理想の結婚、EDをテーマに考察する。

〈取材・文/大貫未来(清談社)〉