コロナによって息苦しい生活を強いられている昨今。生活様式は一変した。しかし、そんな人間たちの欲のために生活様式を一変させられるものたちがいる。それは生活様式などという生ぬるい表現からはみ出すほどの“変化”。

《何気ない日常の裏側で、日本を支える人たちがいる。私たちの知らないところで、どんな働きをしているのか?》(番組HPより引用)を伝える、武井壮がMCを務める番組『BACKSTAGE』(TBS系)。

 8月8日の放送では、『しながわ水族館』のイルカショーの舞台裏を取り上げた。2歳のイルカ『ミント』に演技を教え、ショーデビューまでの3か月に密着。

狭いプールが死の原因になることも

 しかし、内容や水族館の施設について、動物愛護団体からだけでなく、SNSなどで一般人からも批判が相次いだ。その理由は。

「日本で最も水深の浅い最悪の施設」

 番組を見てそう話すのは、動物愛護団体『PEACE』代表の東さちこさん。

鯨類を小さな水槽に閉じ込めて飼育すること自体、世界的に批判があるのに、まるでショーを宣伝するかのような内容で驚きました。深さ3・5メートル、面積約150平方メートルの“巨大プール”などと言っていましたが、こんなに浅いプールはほかではありえず、とても狭いプールです。

 イルカは100メートル以上深く潜ることができ、行動範囲は100平方キロメートル、 東京ドームの2000倍を超えます。とても本来の生態を発揮できる施設ではないことを、番組では視聴者にきちんと伝えるべきだと思いました」(東さん、以下同)

 水族館のイルカは野生を捕獲したものが多いという。

サビが流れ出ている、しながわ水族館。プールにも流れ込みそうだ
サビが流れ出ている、しながわ水族館。プールにも流れ込みそうだ

「海から捕獲され、水族館に入れられたイルカは、それだけで死ぬことがありますが、死因の1つに、壁への激突があります。まっすぐ泳げることはイルカにとってとても重要です。水族館でイルカを飼うこと自体、無理があるということをテレビ番組はもっと報じてほしいと思いました」

 問題はプールの大きさだけではない。

「ペンキははげ、サビも目立ち、老朽化が激しい施設で、廃止を考える時期であることは撮影スタッフも見てわかったはず。なぜこの水族館を取り上げたのか疑問です」