おうちごはんが増えるとつい食材を買い込み無駄にしてしまう、という人も多いのでは。そこでポイントとなるのが保存法。冷蔵室や冷凍室の正しい使い方を理解せずになんとなく詰め込んでいるなら要注意だ。

 昨年から始まったステイホームの影響により、多くの家庭でおうちごはんが増えている。

 しかし、急に食品のストックが増えたことで、「うまく保存できずに食材をダメにしてしまった……」という声も少なくないのでは?

 食材はなんでもかんでも冷蔵庫に入れておけば安心というわけではない。間違った保存方法だと、冷蔵庫内でどんどん劣化していくばかりか、ほかの食材に悪影響が。また、知らずに雑菌が繁殖したものを口にしたりと健康被害も起こりうる。

 食品に合った正しい保存方法を知れば、美味しさも鮮度も損なわず、さらに食材を無駄なく使い切ることができるのだ。

昔のままの保存方法が食品をダメにする原因に

 ところが、食品の保存方法は、意外とマイルールでやっている人が多いのも事実。

「昔と今とでは気候も違うし、家のつくりも違います。それにともない食品の保存方法も変わっているんです」

 とは、料理研究家の島本美由紀さん。例えば、食品の保存場所としてよく聞く「冷暗所」。数十年前の家庭では床下や蔵が冷暗所の役割を果たしていたが、現代の気候を考えると、一般家庭における冷暗所は冷蔵庫の中のみと心得るのが正解。

 しかし冷蔵庫内でも、野菜室とチルド室では温度設定が異なり、それぞれに適した食材が保存できるようになっているが、十分に有効活用できていないケースも。

「チルド室の使い方を知らないという声もよく聞きます。お肉やお魚だけでなく、味噌やヨーグルトなどの発酵食品の保存にも適しているのですが、意外と使われていないんですよね」

冷凍でも2か月過ぎれば美味しさも鮮度も落ちる

 また、冷凍室に入れておけば、鮮度はずっとキープできると思われがちだが、家庭用の冷凍室には当てはまらない。2か月を過ぎてからは美味しさも鮮度もダウン。さらに開け閉めによる冷凍焼けで、2か月を待たずに劣化することも。

「間違いやすい保存ルールを上表にまとめました。1つずつチェックして、正しい保存の知識をぜひ身につけてください」

ついやっていない? この保存術はすべてNG! 

●お米は1年中常温で保存している
●もやしは野菜室に保存している
●粉チーズは冷蔵室に入れている
●乾物は戸棚で保存している
●煮出した麦茶パックはピッチャーに入れっぱなし
●冷凍すれば数か月は鮮度をキープできると思う
●炊いたご飯は冷ましてから冷凍する
●口をつけたペットボトル飲料を2〜3日後まで飲んでいる
●ジャムをパンに塗ったスプーンを再度ビンに入れる

 知らないうちに、劣化した食品を食べているかも。美味しく安全な食卓のために、このページを読んで見直しを。