「ただいまご紹介にあずかりました、春風亭昇太“先生”です!」

 11月22日、地元・静岡県清水市のイベントホールで軽快な挨拶を披露したのは、落語家の春風亭昇太。この日行われたのは、彼の『特別公開授業』だった。

「10月1日付で、母校である東海大学の客員教授に就任しました。2022年度に新設される人文学部に所属し、伝統芸能や日本の城跡などについて講義を行う予定です。10月5日の就任委嘱式では“若き日に学んだ者としては大変光栄です”と感慨深い様子で意気込みを見せていました」(スポーツ紙記者)

 東海大学の学生に加えて一般の参加者も集まった公開授業では、この委嘱式の裏話を明かした。

「“地元のメディアが来てるのかと思ったら、各局のテレビカメラや新聞記者が来ていて驚いた”と話していました。質疑応答には客員教授としてまじめに答えようと頑張っていたところ、日本テレビの方が手を挙げたんですって。『笑点』で司会を務めていることもあって“ようやく味方が!”と思ったら“今の気持ちを謎かけでどうぞ”なんて言われて、突然のむちゃぶりに頭が真っ白になったそうです(笑)」(授業に参加した男性)

落語が嫌いだった

 そんなエピソードトークから始まった公開授業。穏やかな雰囲気の中、昇太は自身の生い立ちを振り返った。

「“すごく可愛かったんです。どれくらい可愛かったかというと……”なんて言って、幼少期の写真を披露していました。高校時代に所属していたソフトボール部については“ポジションはベンチ”“県でベスト4だった。というのも、4チームしかなかったから”とユーモアあふれる話を連発していました」(同・参加した男性)

 東海大学の付属校を卒業した昇太は同大学の文学部に入学するが、初めは進学する気がなかったことを明かした。

「ぼく、担任の先生に“大学に行きたくない”と言ったんです。働きたいと。そしたら先生が“やりたい仕事はあるのか”と。特にないと答えたら“文学部なら推薦で入れるからとりあえず1回行って、それから考えなさい”と説得されまして。それで入ることになったんです」

 大学では落語研究部に入部して、数々の学生タイトルを受賞。2年生時にはテレビ番組の『大学対抗落語選手権』で優勝して学生落語名人にも輝いたが、本人の口からは意外な言葉が。

落語には、全然興味がなかったんです。っていうか、嫌いだったんです。おじいさんが着物着てボソボソしゃべって……。“こんなの全然面白くない”と思ってたんです。本当はラテンアメリカ研究部に入りたかったんですけど、部室に人がいなくて。そしたら隣の部室の人が親切にしてくれて、それが落語研究部だった。先輩たちが面白くて優しかったから“ここでいいかな”という感じで入部したんですけど、それから初めて落語をちゃんと見たら、すごく面白くて。夢中になって、今この仕事についています」