目次
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ー ピップエレキバン開発のきっかけは一粒の米 ー 平賀源内が名づけ親!?
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ー ヒットの鍵は地道な努力 ー 名物会長と樹木希林さん
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ー CMが地域おこしにも! ー 歩く広告塔横矢会長の人柄 ー 商品は進化し続ける
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ー ボツになった商品のその後 ー ユーザーのエレキバン愛

 肩、腰、背中で起きるコリトラブル。コリとは生活習慣による緊張や疲労が蓄積し、筋肉が収縮して太く、硬くなった状態のことをいう。

ピップエレキバン』はそうした症状を改善してくれる磁気治療器のことだ。使い方は筋肉がこり固まっている患部に貼るだけと簡単。磁気の力が血管を広げ、血行をよくすることで老廃物を流してくれるのでコリに効果があるといわれている。

 大人から子どもまで、幅広い層に使用されており、今年で誕生から50年を迎える。

 そこでピップ株式会社商品開発事業本部の伊賀遥香さんに聞いた。

ピップエレキバンの製品や効能、50年の歴史などについて説明する伊賀さん(管理医療機器認証番号:ピップエレキバン130:225AGBZX00030000/ピップエレキバン80:225AGBZX00031000/ピップエレキバンMAX200:228AGBZX00091000)
ピップエレキバンの製品や効能、50年の歴史などについて説明する伊賀さん(管理医療機器認証番号:ピップエレキバン130:225AGBZX00030000/ピップエレキバン80:225AGBZX00031000/ピップエレキバンMAX200:228AGBZX00091000)

ピップエレキバン開発のきっかけは一粒の米

 ピップエレキバン誕生のきっかけは'68年、商品開発の部署が立ち上げられたことにある。開発担当者が注目していたのが当時、流行の磁気を使った健康アイテムだった。

磁気の力で血行、血流を改善するというものでした。アイデアはよかったのですが、課題はその形状。主流だったのはブレスレットタイプだったため、“もう少し使いやすくできないか”と考えていたそうです」(伊賀さん、以下同)

 ヒントはとある社員が行っていた民間療法にあった。

身体のこっている部分に絆創膏で米粒を貼り、ツボを押していました。そこから磁石を粒状にして直接、身体に貼ったら面白いんじゃないか、とひらめいたそうです

 そのアイデアは採用され、商品化を目指した。臨床試験を重ね、約2年の歳月を経て1972年に誕生した。

 効果的な使い方はあるのだろうか。

こった場所に2、3個を2〜5日、貼り続けていただくことです。貼る時間帯は朝でもお風呂上がりでもいつでもいい。コリを感じたときに使ってもらうのがベスト!

平賀源内が名づけ親!?

 発売当初は『恵麗喜絆』という漢字表記だった。

 名づけのヒントは江戸時代の奇才、平賀源内とか!?

商品名は開発担当者が読んでいた平賀源内の本がもとになっているといわれています。そこに書かれていたエレキテル(静電気発生装置)のエレキ、から磁気を連想。

 商品の効能とエレキの意味は結びついていませんが、イメージ的に似たようなものとして提案したそうです」

 ちなみにバンは『絆創膏』のバン。エレキとバン(絆創膏)で『エレキバン』という商品名がつけられた。