「人にハダカを見せるなんて久しぶりすぎて。げんなりされるかも、濡れないかも、入らないかも……不安だらけだったけれど、全然問題ありませんでした!」
子育てを終え、ひとり暮らしを楽しむなかで出会った14歳下の彼と試行錯誤で重ねるセックス。60歳からの性は「案外いい、いや実は、これまででいちばんイイ(笑)」と明るい表情で語ってくれた。

64歳バツ2 銀座のバーで年下男性にひと目ぼれ

彼と知り合ったのは会社の飲みの2次会で行ったバー。偶然、隣同士になっておしゃべりするうち、すごく魅力的な人だなと。正直言って、ひと目ぼれでしたね

 と語るのは、編集者で出版社の代表も務める原田純さん(以下同)。その後、恋人となった14歳年下の男性との出会いを少しはにかみながら振り返る。

 それは4年前、原田さんが64歳のときのこと。名刺交換から始まった関係は徐々に進展し、長文メールをやりとりしたり、一緒に食事に行ったりする仲に。

今さら自分が男性に興味を持つなんて思ってもみませんでした。でも、この人となら恋人になっても──セックスしてもいいなって思ったんです。別に“飢えて”いたわけじゃないですよ。でも、ごく自然にそう思えたんです

 原田さんには2度の離婚経験があり、2度目の結婚では娘も授かった。その後はセックスはおろか、恋愛からも離れていた。

もう男はこりごりという思いもあったし、仕事も忙しかった。いつしか見た目に気を使うこともなくなって。まあ、女を捨てていましたね

 そんな彼女が変化した理由はいくつかある。ひとつは年齢。子育てを終え、気ままなひとり暮らし。仕事は充実していて、友人も少なくない。満足していた。そのはずが、60代半ばにさしかかり、女性としてこのまま終わるのかという一抹の寂しさがあったという。

 さらに男性ホルモン補充の効果も。閉経後、気持ちが沈み落ち込むことが多かった原田さんは、専門医から男性ホルモンの枯渇も一因との指摘を受け、半年前から月1回ホルモン注射を受けるようになっていたのだ。

男性ホルモン値が上がると生きる活力、行動力がアップして元気になるといわれています。それから性欲も。もしかしたら、その影響もあったのかもしれません

 そうして訪れた久しぶりのセックスの機会。原田さんは2度目の夫との子どもが生まれてから20年以上セックスレスだったため、実に27年ぶりのことだった。

そもそも人前に裸をさらすこと自体が久しぶり。若いころと比べたら崩れたボディライン、たるんだお肉、ハリがなくなった肌……気にし始めたらきりがない。でもそこは開き直りました。だってお互いさまでしょ(笑)。それより、ちゃんとできるのかな、というのが一番不安でした

 つまり、自分はちゃんと彼を受け入れられるのか。

だって27年間ですよ。どんなあんばいなのかすっかり忘れてしまって。相手にも『私、できないかもしれない』って言っていました。でも、彼と知り合う3年ほど前から膣のマッサージなどのセルフケアには取り組んでいたので、まるっきり“空白”の人に比べたらちゃんと開拓されていたからハードルは低かったのかも」