
「事件があったとされるのは昨年3月19日午前2時半ごろ。法律事務所の内定をもらっていた20代の女子大生は前夜、同事務所を経営する代表弁護士から『歓迎会』と称する飲食に誘われ、2人きりで3軒ハシゴに付き合わされた後のことだ。代表弁護士から“移転した新しい事務所を見に行こう”と見学をうながされて従うと、事務所の応接室でキスされ、衣服を脱がされ胸や下半身を触られるなどのわいせつ行為を受けたという。驚いた女子大生は逃げ出し、近隣の交番に駆け込んで被害を訴えた」(全国紙社会部記者)
約1年2か月後の今年5月25日。警視庁愛宕署が強制わいせつの疑いで逮捕したのは、東京都港区虎ノ門の弁護士法人『はるかぜ総合法律事務所』の代表弁護士・渡部孝至容疑者(43歳=わたなべ・たかし)。
警察の取り調べに対し、
「逮捕された事実の行為は全くしておりません」
と容疑を否認しているという。
内定者への悪質なわいせつ行為の疑い
「一部報道によると、女子大生に馬乗りになって犯行におよんだというから事実ならば荒っぽい手口だ。女子大生は法律関係の仕事に憧れを持っており、“内定を取り消されたくなかったので事務所に着いていった”と話している。深夜でもあり、本音は帰宅したかったようだが、もうすぐ上司になる事務所トップに“職場見学NO”を突きつけるのは難しいだろう」(前出・記者)
事務所のホームページ(以下HP)などによると、渡部容疑者は愛媛県出身。神戸大学経済学部に在学中、行政書士の資格を取得するため法律を学んだのが法曹界入りのきっかけになったという。京都大学法科大学院に進み、卒業後はすぐ法律事務所を開業。
弁護士検索ができる法律相談サイト『弁護士ドットコム』が2019年9月に掲載したインタビュー記事で、渡部容疑者は弁護士を目指した理由について、
《自らの考える社会的正義を実現させたいと思ったこと、法律自体に面白さを感じたこと、そして、弁護士業が自営業であること》
の3つを挙げている。
自営業に魅力を感じたのは、
《組織に属するより、自分の理念や考えを自分のやりかたで実現させたいという思いが強かった》(同インタビューより)から。
実際、相談案件を数多く抱える大手事務所などにまず勤務して少しずつ顧客を獲得していく道を選ばなかった。