「焦ったり、周りと比べてしまう気持ちはリンクします」

 NHK木曜時代劇『かぶき者 慶次』(総合テレビ毎週木曜夜8時放送)で、慶次(藤竜也)の息子として育てられた石田三成の遺児、新九郎を演じている中村蒼

 慶次から一人前の侍として認めてもらえず、親友の勝之進(工藤阿須加)にも遅れを取っている新九郎の姿は、自身とリンクすることも。そんな思いが、初共演する大先輩の藤の言葉に勇気づけられた。

「藤さんが“いまでも仕事に対して不安で、1回も安心だとか、やっていけるとか思ったことがない”と話されているのを聞いて、僕が不安になったりするのは当たり前だと。(経験を積んでも)そういう気持ちは続いていくのか、と吹っ切れました。そんな話をしていただけてうれしかったし、藤さんと過ごす現場は、とても大切な時間です」

 14歳のときに『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』のグランプリに輝き、俳優デビューした。

「振り返ってマイナスだったと思うことはないです。役者は正解のないものだと思うし、(作品の現場ごとに)違う演技を要求されて大変だけど、すべてが糧になって、楽しいと思えるようになりました。学生が部活を辞めたい、みたいな感覚になったことはあるけど、今では俳優を仕事として思えるようになり、大人になったのかなと思います。

 10年後? いくつになっても自分の知らない世界に挑戦して、楽しめていけたらいいなと思います」

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撮影/佐藤靖彦

〈プロフィール〉
なかむら・あおい 1991年3月4日生まれ。福岡県出身。ドラマ、映画、舞台と幅広く活躍中。dTVにて配信のドラマ『眠れぬ真珠』に出演中。7月放送予定のNHKBSプレミアムスペシャルドラマ『洞窟おじさん』への出演も決定。