夏休みの宿題のなかでも、親子共々苦労するのが“自由研究”。発表する機会もあるだけに、他の子はいったいどのような研究をしているのかも気になるところ。そこで、小学生の頃から優秀であったであろう、現役東大生たちを直撃。かつてどのような“夏休みの自由研究”をしていたのか、実際にアンケートを実施してみたところ、独自の着眼点光る回答が次々と──。気になるその研究内容とは?

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●大学院情報理工学系研究科・塚田特任助教

 小学6年生のとき、夏休みの約2か月間毎日、朝日新聞の『天声人語』を書き写して、その論評に対する感想文を書きました。中学2年生のときは海外の絵本の絵を模写して、文を日本語に翻訳しましたね。ドリルなどの宿題とは違って押しつけじゃないので、それなりに楽しんでやっていたと思います。

東京大学大学院・塚田特任助教

●文学部4年・K.Oさん

 母の実家が大阪で東海道新幹線に乗る機会が多く、車窓の景色を眺めるのが好きでした。小学3年生の自由研究で東海道新幹線の主要駅の車窓から見える景色の違いをビジュアルで見せる研究をしました。約1週間、写真を撮ったり、画像を収集。実際の地理と同様に写真を配置し、自分の地図ができたので達成感がありましたね。

●法学部4年・S.Kさん

 ビンを使って大気圧の実験をしました。大きいビンに少し湯を入れて湯煎で温め、水蒸気で満たし、ゆで卵でフタをします。湯煎から取り出してビンを水で冷やすと、ビンの中の水蒸気は水に戻りビン内の圧力が下がるため、卵が変形しながらビンの口をすり抜けていくもの。ネタ探しは本からでもいい。トライすることが大切では?

●文系学部修士2年・S.Jさん

 着色料を混ぜたゼリーを何層も重ねて、地球の層を表現しました。大変でしたが、ほとんど母が張り切ってやっていたと思います(苦笑)。当時私は米国にいましたが海外では経済的にできない子もいるので、自由研究はやりたい子だけでOK。日本は強制力があってかわいそう。余計に理科嫌いの子を増やす気がします。

●文学部3年・R.Fさん

 小学6年生のときニュース番組で『世界の絶滅危惧種の動物』を知って、ユネスコが公表している絶滅危機度を示したリストを参考にレポートにまとめました。旭山動物園に絶滅危惧種の狼を見に行ったりもしました。親は放任主義だったのでひとりでやりました。ひとつのことに熱中する経験は多くないので、よかったと思います。

●教養学部卒業生・S.Mさん

 スケッチブックに読んだ本の絵日記をつけました。上のページに挿絵の写し絵を描き、下のページに感想を書きました。テーマやフォーマットは母に決めてもらい、あとは自分で。当時大好きだったポプラ社の怪盗ルパンシリーズや『ポアンアンのにおい』という本について書いた記憶があります。ルパンの顔をかっこうよく描くことに心血を注ぎました。

●文系学部修士1年・S.Iさん

 小学1年生で「アリの観察」をまとめて先生にほめられました。巣穴の周辺に円を描くように砂糖を散布して、動きを観察しました。最初は父親も一緒でしたが、僕が飽きずに3時間ほど巣穴の前から動かなかったので「いい加減にしろよ」と帰ってしまいました(苦笑)。行列からはずれたり後ろ向きに歩くアリがいておもしろかったですね。

小学校1年生で「アリの観察」をまとめた当時のレポートを見せてもらいました

●文学部・Y.Iさん

 小学4年生のとき「紙飛行機を遠くに飛ばすには?」という研究をレポートにまとめました。いくつかのパターンで作って、それぞれ何メートル飛んだかを記録したほか、羽根の部分の抵抗がどうなっているのか扇風機にあてて調べました。

●理学部修士2年・Y.Kさん

 宇宙飛行士が宙に浮く映像をテレビで見て「カッコいい!」と思って以来、宇宙が大好きになりまして。宇宙を解説したポスターを作りました。図鑑を読み、プラネタリウムに出かけ、国立天文台で職員に話も聞きました。実は今も宇宙の研究に取り組んでいます。東京ドームにある『TeNQ宇宙ミュージアム』を運営しているのでぜひ、遊びに来てください!(笑)