舞台で輝きを放ち、生で会える(見られる)俳優が本当に仲のいい俳優を指名してトークする「生で会えるイケメンリレー対談」、通称“生イケ対談”連載。

 第16回は小池徹平さんが浦井健治さんを指名! 『週刊女性』本誌(2017年9月5日号)のスペシャル対談の続きを、たっぷりお楽しみください。

左から小池徹平、浦井健治 撮影/森田晃博

健ちゃんの月は心理戦がすごくて、より人間味が増したような気がする

――おふたりが出演される『デスノート THE MUSICAL』再演は、初演と変えている部分はあるんですか?

浦井 まず熱量がL(エル)と月(ライト)の中ですごく違うのを感じる。初演はもちろん無我夢中という熱があったけど、再演は役がもう血となり肉となり、身体に落ちてる状況からスタートしてるから。

小池 それはカッキー(柿澤勇人 ※浦井とダブルキャストで月を演じる)と3人でも話してて。

浦井 現場でそれが化学反応として湧き上がっているからこそ、ニュートラルに台詞と向き合えたんです。皮膚感覚でヒリヒリしたものが増えた。2年前より、今の時代においてDEATH NOTEの物語の現実味が増してるっていう感じがあって。台詞にすごく臨場感があって、怖くもなったんですよね。

 だけど、そこに立ち向かっていくうえで、3人で共通認識として、これは生身の人間がこういうふうに崩壊していくんだとか、こう向き合って友情とか絆が生まれたりだとか、板の上でそういう対峙が“あうん”の呼吸であって、より信頼が増したっていうのはありますね。

小池 2年間って自分たちの中でもすごく大きな時間で。年を重ねて今改めてDEATH NOTEって作品と向き合ったときに、感覚がまた全然違うんですよね。より役に対して突き詰められる時間がたくさんあったので、それは変わって当たり前だよねっていうか。

浦井 うん。どんどんよくなるね。

――小池さんから見た、2人の月の魅力の違いは?

浦井 聞きたい!

小池 ここでキラになりますって決定的なところはたぶん一緒なんですけど、その過程の染まっていき方だったり、Lと敵対する熱量が全然違ってて。台詞への感情の入れ方も、冷静でグサって突き刺すか挑発に乗るか、気持ちが表情に出るか出ないか……。相手に少しずつ変化があると、こっちもどうしてやろうかなってなる。

浦井 アハハハハハ!

小池 健ちゃんの月は、心理戦がすごくあってものすごく熱いんですよ。より人間味が増したような気がする。

浦井 嬉しい~。カッキーも僕も、前の芝居をなぞらないで、毎公演、感じたままで挑もうというスタンスで、そのぐらい人間味っていうところを突き詰めているんですね。それを徹平が感じてくれていることが心強い。

毎公演、客席の一番うしろまでペタペタ触って歩いてます

――プライベートでの2人の交流についても伺いたいんですけど。

小池 ちょいちょいLINEくれるよね。

浦井 今これやってるとか報告したり。感動したものとか、面白いものを送ったりとか。テレビに出てる徹平を撮って「見てるよ~」って送ったり(笑)。

小池 こっちも『釣りバカ(日誌 Season2新米社員 浜崎伝助)』見てるよ、巻き髪のプリンス(笑)。とか返して。

浦井 アハハハハ!

小池徹平、浦井健治 撮影/森田晃博

小池 健ちゃんはお酒飲まないから、プライベートであんまりご飯とか行けないからね。でもね、健ちゃんはいつでも優しいんだよね、喉の薬とか漢方薬とかいっぱい持ってきてくれるから。心配してくれるんですよ。今回の楽屋でもそうだし、健ちゃんの舞台を見に行って楽屋に行ったりしても、「どう元気? 最近どうなの? アメちゃんいる?」とかってすごい気遣ってくれる人だから。

浦井 『ビッグ・フィッシュ』という舞台を見に来てくれたときに、徹平が僕の楽屋で急にボロボロ泣き始めたんです。それが印象的で。川平慈英さんと僕が演じた親子の物語なんですけど。すごく感動してくれて。

小池 あれはものすごくいい作品ですよ。

――今までに驚いたことってありますか?

浦井 本番直前まで普通に本読んでたり、ゲームしたり全然違うことをやってて、急にLとして舞台に立てるんですよ。それで、ぶわ~って間違えずに台詞が出てくる!

――すぐに切り替えられるんですね。

小池 ずっと台本見てると疲れちゃうから、息抜きしながらね(笑)。

浦井 緩急のつけかたがハンパないんですよ。どうやったらそんなに切り替えられるんだろう? 僕は不安になるタイプだから。

小池 健ちゃんはできてるのに、心配性な部分がすごくある人で。あと僕より規則正しいルーティンがあるんで。それが願掛けになっていたりとか、自分の体調の確認だったりとか。ステージに立つってことをすごく重んじている人なので、あるんですよ、きっとうまくいくっていう何かが。どんな状況でも劇場に入ったら、まずは舞台に立っておかないと気持ち悪い人だから。

浦井 お! ちゃんと見てくれてるんだ(笑)。うれしいな~、そうなんですよ。

浦井健治、小池徹平 撮影/森田晃博

――具体的にはどんなことをやるんですか?

浦井 『星ノ数ホド』というお芝居のときに、演出家の小川絵梨子さんから、リアリズムのお芝居を学んでからなんですけど。まずは稽古場も本番の劇場も、行ったらその空間に全部触れる。舞台上はもちろん、壁も、最上階の一番後ろの客席も。触れておくだけで、無意識にこれが自分の空間だっていう認識になるから、そこで芝居をやったときに現実味が生まれるっていう。その舞台以来、毎公演、客席の一番うしろまでペタペタ触って歩いてます。

小池 面白いでしょう? 僕は差がわかんないもん(笑)。

浦井 アハハハハハ!

――どんな作品でもなさるんですか?

浦井 帝国劇場でもしてます。2時間半前には入って。

小池 これが浦井健治です!

浦井 アハハハハハ! 面倒くさいでしょう?(笑)

50代で子育てから解放されて、あとは遊びたいなって願望がある(笑)

――お互いの好みの女性のタイプとかは知ってますか?

小池 そこまで話したことないかもね。健ちゃんは、全部やってくれる人。ホントに世話焼きの子が合うと思う。

浦井 (笑)いや~、人によりけり。自分が全部やるときもあるし(笑)。

小池 でも、合うと思うな~、僕は。

浦井 アハハハハハ! 何を知ってるんだよ(笑)。徹平は何でもできちゃうから、甘えん坊の子のほうがいいと思うけど。でも、一緒に何でもできるようなアクティブな子がいいのかな。

小池 うん、何でもチャレンジしてくれる人のほうがいいなって思うけどね。自分は好きなことが多いから、好きなものを共感できるほうが楽しいと思うし。

――恋人に求める条件を挙げるとすると、どんなこと?

小池 根本的なこと。繊細さだったり謙虚さだったりが自分と似てる人のほうがいいですね。そのほうが、居心地がいい。

浦井 大人の回答~! 結局、ちゃんと寄り添える人ってことだよね。

小池 うん、結局それが平和というか。安定というか。

――最終的にはそこが重要?

小池 うん。だってきれい好きかどうかとかは、何かしらなんとかなるものだけど、人間性ってすぐ変えられなかったりもするから。

浦井 僕はもう、従うのみです(笑)。女性には従うことが、正解かなと思います。

小池 アハハハハ!

小池徹平、浦井健治 撮影/森田晃博

――結婚願望はありますか?

浦井 今はないな。

小池 全然あります。俺は健ちゃんの年くらいにはしたいかな。

浦井 早いね!

小池 元気に仕事をしながら、子どもを育てるには30代のうちかなと思って、だって60まで子育てできる?(笑)

浦井 確かに(笑)。50代で終わらせたいっていう?

小池 そう。50代で子育てから解放されて、あとは自分の好きな趣味で遊びたいなって思うから。あくまでも願望だけど(笑)。

――最後に、改めてお互いはどんな存在ですか?

小池 居心地がいい。僕にないものをいっぱい持っている人だから、いろいろ一緒の現場でやらせてもらいたい。見る側としても、どういう役やるんだろうっていうのが楽しみな面白い人だから、役者としてもすごく大好きだし。人としても、もちろん尊敬するところはしてますよ(笑)。

浦井 アハハハハハ! うれしいな。

小池 頼もしい先輩だと、ほんとに思いますね。

浦井 僕は、徹平のことを後輩と思ったことはなくて。カッキーも含めて、みんな同じところで会話ができるから、僕が年齢的には上だけど、居心地がいいし。同じ世代にこんなに素敵な役者がいっぱいいるんだっていうのも感じてて。ほんとに徹平と知り合えてよかったなと思うし。きっとこの先の人生の流れの中で「あいつ今こんなことしてるんだ」とか、共演したら「こんな技術つけたのか」とか、「こんなとこにシワ増えたか」とか、お互いに思うと思う。これからもいい関係でいたいですね。

スペシャルQ&A【小池徹平編】

――浦井さんには言ってないけど、感謝していることは?

小池 ベースに感謝があるなって感じますね。ほんとに人のことをよく見てて、面倒見がよくて。座長だし、器がやっぱり大きいんだろうな~。ただ、こちらが感謝するのを忘れちゃうくらい、それを当たり前にできちゃう人だから。健ちゃんの現場の居方(いかた)とか仕事に対する姿勢が、たぶんすべて、押しつけでもなく自然すぎて。『デスノート THE MUSICAL』でも、僕がけっこう喉が辛いときに、楽屋に喉にいいものを持ってきてくれたり。ダブルキャスト相手に演じることを大変だと思ってくれて、さりげなく気遣ってくれるので、救われる部分もあります。

――浦井さんに直してほしいところは?

小池 全然ない! もうちょっと一緒にメシとか行きたいなって思うぐらいですね。健ちゃんは真面目だから身体のケアとかもあるだろうけど、もうちょっとご飯行こうよとか、誘ったら食べに来てくれると嬉しいかな。自分だけお酒飲むから、申し訳ないなって思っちゃって僕からはあんまり誘えないんで、誘ってくれるとうれしいですね。

――浦井さんのトリセツは?

小池 褒めたら喜ぶ。健ちゃんはほんとに褒められるのが好きだと思う。褒めると機嫌がよくなるし、さらにアガりますね。あと、何でもすごく素直に受け止めてくれるぶん、何かしら持って行ったりとか、あげたりしてもすごく喜ぶし。この前、千社札が欲しいって言われたから僕の名前を書いた千社札をあげただけでもすごく喜んでくれて。だからけっこう親しく相手からこられると、喜ぶのかなっていうのもあるかもしれないですね。

――何フェチですか?

小池 僕はけっこう髪が好きですね、女性のきれいな髪。長くても短くても、きれいな髪の人だとすごく清潔感も感じるし、気を使ってるんだなと思います。そういうのが如実に見える部分なので。今は髪が一番気になりますね。

小池徹平 撮影/森田晃博

――今まで見た舞台作品で、一番印象に残っているものは?

小池 いい作品がたくさんあって1つに絞れないですが……。今年見た中ですごくよかったのは、ミュージカル『ビッグ・フィッシュ』。川平慈英さんの人間性のにじみ出た芝居に感動して泣きました。あの人が放つオーラと歌声、キャラクター、すべてに刺激を受けた感じの舞台でしたね。主人公の父親(川平)が、歳をとったときと若いときの演じ分けをどうやってるの? っていうくらい、1回も舞台からはけずにジャケットを着るだけで若くなったり、キャップをかぶるとかで変えていて、芝居がすごすぎて、なんかもう感動しちゃった。ほんとに素晴らしかったです。また見たいです。

――一番の癒やしは?

小池 やっぱり今は毎日の晩酌ですかね~。どっか出かけたり遊びにいくのも好きなので、それも癒やしではあるんですけど、仕事がある中での日常の癒やしだとしたら、ちょっとした晩酌が癒やしの時間です。お酒大好きなんで(笑)。ファンの方からもよくお酒を差し入れでいただいてます。

――今、ハマっていることは?

小池 ジンギスカンに今すごくハマってますね。おいしいお店があってよく行きます。焼き肉より行くかもしれないですね。味も肉質も全部好きです。昔から食べたことはあったんだけど、急に魅力に気づいて好きになりました。ジンギスカンは進化してますよ、ウマすぎる(笑)。

スペシャルQ&A【浦井健治編】

――小池さんには言ってないけど、感謝していることは?

浦井 ちゃんとリスペクトをしてくれるところ。やってきたことは違うけど、役者としてお互いに認め合う部分も強いから、それにすごく感謝してますね。こっちは舞台人、徹平は映像に強い人だけど、ジャンルとかメジャーっていうことでなく会話してくれるから。ひとつの作品を作るメンバーとか、同じ時代を生きる人間として、接してくれる。だからこそ小池徹平っていうのは、愛されるんだろうなって思いますね。

――小池さんに直してほしいところは?

浦井 完璧すぎるんだよね~。きれい好きだしな~。料理も自分で作れるし、興味があることには即行で動く行動力もあるし、ほんと全部できちゃうんだよね、強いてあげるなら、朝まで遊びほうけるから、年齢的にもね、ちょっとずつ身体のことを気にしてあげたほうがいいかなって思うくらい。でも翌日も完璧にやってくるから(笑)。リフレッシュっていう意味で、それが必要なのかなとも思うけど。ただ、身体はもちろん、肝臓を大切に(笑)。

――何フェチですか?

浦井 考えたことないけど、好きな子の全部が好きになっちゃうタイプなんで。もうその人の全部フェチ(笑)。

浦井健治 撮影/森田晃博

――今まで見た舞台作品で、一番印象に残っているものは?

浦井 '13年に見たサイモン・マクバーニーの『春琴』ですね。闇というものを、そして黒という色をあれだけ鮮やかに描いた作品ってないと思う。役者が人間のさまざまな心の中を体現して、それを板の上に立ち上がらせていて、深津絵里さんを筆頭にあまりにもすごかったので。今この時代に、この時期に、あの演出を観られたことが、自分の中で一番衝撃を受けました。

――一番の癒やしは?

浦井 温泉に行くとか、その旅先で自然に触れることとか。あと実は、ファンの人たちとのコミュニケーション。イベントとか出待ちとか、そういったところで会うときに、ファンのみなさんが笑顔をくれるから、それが癒やしになってる。実際に本当に楽しんでくれてるのが感じられて。人の楽しいって気持ちはうつりますからね。

――今、ハマっていることは?

浦井 漫画。舞台の原作で増えているのもそうですけど、漫画のストーリーがものすごく面白い。あと紙に触れるっていうことが癒やしというか、リフレッシュに繋がるんだなって思って。今はスマホでも読めるけど、紙の質感とか紙をめくるということ、紙の匂いとインクの匂いに癒やされるし、気分の切り替えになる。あと、偶然入った本屋での出会いも楽しいじゃないですか。新刊が出ると、ここぞとばかりに買ってる(笑)。

*2人のサイン入り写真をプレゼント!
詳細はこちらからどうぞ→jprime.jp/articles/-/10456

<プロフィール>
こいけ・てっぺい◎1986年1月5日、大阪府生まれ。B型。第14回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストグランプリ受賞。2017年第42回菊田一夫演劇賞受賞。『デスノート THE MUSICAL』(大阪公演:上演中~8月21日梅田芸術劇場メインホール/東京公演:9月2日~24日新国立劇場 中劇場)にL役で出演。『ロッキー・ホラー・ショー』(11月7日~12日Zeppブルーシアター六本木ほか)に出演。'18年春、ミュージカル『1789 ―バスティーユの恋人たち―』再演決定。

うらい・けんじ◎1981年8月6日、東京都生まれ。A型。'04年ミュージカル『エリザベート』ルドルフ皇太子役に抜擢(ばってき)。以降、ミュージカル、ストレートプレーに関わらず、数々の話題作に出演。『デスノート THE MUSICAL』に夜神月役で主演。舞台『ペール・ギュント』(12月上旬~世田谷パブリックシアターほか)、ミュージカル『ブロードウェイと銃弾』(東京公演:'18年2月7日~28日・日生劇場ほか)と主演作が控えている。

(取材・文/井ノ口裕子 撮影/森田晃博 ヘアメイク/加藤ゆい [fringe] )