舞台で輝きを放ち、生で会える(見られる)俳優が本当に仲のいい俳優を指名してトークする「生で会えるイケメンリレー対談」、通称“生イケ対談”連載。

 第21回は佐藤隆紀さんが植原卓也さんを指名! 『週刊女性』本誌(2017年11月14日号)のスペシャル対談の続きを、たっぷりお楽しみください。

左から佐藤隆紀、植原卓也 撮影/伊藤和幸

『キューティ・ブロンド』の地方公演で、イタズラ合戦がすごかった(笑)

――『キューティ・ブロンド』の地方公演で泊まったホテルの部屋で、おふたりはパジャマパーティーを行っていたそうですが、どんな話をしてたんですか?

植原 いろんなパターンがありましたよね。

佐藤 真面目な話、芝居の話をするときもあれば、しょうもない話をするときも。

植原 あの……もう僕とシュガーさんといったら、このエピソードしかないぐらいのやつ思い出しました。

佐藤 何? 何?

植原 『キューティ・ブロンド』は地方公演の移動のときに段ボール箱で私物を次の場所まで運んでいただいたんです。みんな同じ大きさの段ボール箱に、メイク道具とかジャージとかパンパンに入れるのですが、そこに僕が持っていたかわいいぬいぐるみを、毎回、気づかれないように相手の段ボール箱に忍ばせるというイタズラを二人でやっていて。

佐藤 アハハハハハ! そのイタズラがね、すごかったんですよ。

植原 二人でやり合ってるのに意外と忘れていて、段ボールを開けて荷物を出していると、とても奥のほうにシュガーさんが入れていたぬいぐるみが出てきたり。逆にシュガーさんの段ボールからぬいぐるみが出てくると、ガッツポーズするというような(笑)。千秋楽まで、毎回やってましたよね。

佐藤 そうだね。あと、楽屋に置いてるメイク道具や化粧品とかいろんな小道具を全部裏返して置いておくっていうもやったね(笑)。

植原 一番ひどいときは座るイスも逆でした(笑)。

佐藤 いつもはやらないんですよ、そんなこと(笑)。

植原 僕も先輩相手に普通はしないですよ。シュガーさんが笑って許してくれるからできたんです。

佐藤 ホントに楽しくて、公演中はもうずっと一緒にいたようなイメージですね。そのぬいぐるみは、ふたりのサインと“また舞台で会おう!”って書いて、僕がちゃんと保管してるんですよ。

単純に「あの役、全然引き出しないな」って思われるのが嫌だから…

――稽古(けいこ)場や舞台上で印象に残っていることは?

植原 一番すごいな~って思ったのが、『スカーレット・ピンパーネル』と『キューティ・ブロンド』で、1回ずつ違う歌詞が出てきたことがあったんですよ。

佐藤 アハハハハハ! 歌詞ね(笑)。

植原 その間違いは……僕はもちろん、一緒に稽古もしてきた人間として気づくのですが、お客さんが気づかないようなレベルで修正するんです。

佐藤 改めて言われると恥ずかしいんだけど(笑)。

植原 1行だけなんですけど、もちろん音もバッチリ合ってますし、あの作詞能力はすごい!

佐藤 役者は笑いをこらえるレベルで間違ってるんですけど、お客さんは気づいてなかったと思います。

佐藤隆紀 撮影/伊藤和幸

植原 全然焦ってた様子もなかったですし。

佐藤 内心、超焦ってましたけどね。僕が植原くんのお芝居でいいなと思ったことは、稽古中にいろんなことを次々トライするところ。それで勇気づけられて、自分も『キューティ』のときは、すごくトライするようになって。

植原 それはストレートの舞台(歌やダンスなどがない舞台作品)で教えていただいたことですね。でも正直に言うと、「あの役者、全然引き出しないな」と思われるのが嫌だから(笑)。

佐藤 同じことばっかりやってるなアイツって?(笑)。

植原 「この作品に愛があります」という表現のひとつなのかもしれないです。毎回楽しそうに演じると周りのキャストの方もハッピーになりますよね。

佐藤 うん。楽しくなっていくし、たっくんがあんなにやってるんだったら、僕もやってみようってなる。

植原 あと僕が『キューティ』で神田沙也加さんとデュエットしていたとき、癖で唇を舌でペロッとしていたみたいで。稽古場でそれをシュガーさんが気づいてくださって。結構真面目なトーンで「たっくんなんかさ~、すごいペロペロしてるよ」と教えてくれたんです(笑)。

佐藤 フフフ。

植原 僕は全然気づいてなくて、「え? どういうことだ?」って思っていたら、スマホで僕の口を動画で撮ってくれていて(笑)。

佐藤 勇気を振り絞って言ったら、「いや、そんなにやってないと思います」って言うから、なんとかわかってもらったほうがいいと思って(笑)。

植原 まさかずっと顔のアップで撮ってくださっているとは思わなかったから、とても面白かったです(笑)。

自分が忘れかけてることをハッと気づかせてくれる女性がいい

――お話を伺っていると、おふたりのいい関係が伝わってきますね。

植原 俺、シュガーさんだったら、自分の全部、何でも話せますもん!

佐藤 いやぁ、うれしいですね。

――お互いを見ていて、どういうタイプの女性が合うと思います?

佐藤 たっくんは包容力のある女性で、年下のほうが合ってると思う。うるさく言われるの、たぶん嫌だと思うんですよ。年下だったらちょっとうるさくてもいいような気がするけど、年上だったら話をとりあえず全部聞いてくれて、「こうなんじゃない?」ってちょっと刺さるようなことをスッて言ってくれるような女性。

植原 アハハハハ! ホントに恥ずかしいですけど合ってると思います。女性らしい女性に魅力を感じますね。か弱かったり、しっかりしてなくてもいいというか。単純にメイクとかおしゃれが大好きな人も素敵だと思いますし、女の子だな、女性だな~って感じられるものがあったら惹かれます。

――佐藤さんにはどんな女性が合うと思います?

植原 アドバイスや助言をしてくれるような女性が、シュガーさんには合うのかなって思います。

佐藤 うん、なんでも言ってほしい。自分が忘れかけてることをハッと気づかせてくれる女性はいいですよね。例えば、気づかないところでちょっと天狗発言をしてたり、行動をとったりしてたら、「なんでそんなこと言うの?」みたいなことをパッと言ってくれるような人。

植原卓也 撮影/伊藤和幸

――最後に改めてお互いはどんな存在ですか?

植原 シュガーさんは、心からまた共演させていただきたいなと思う方です。どんどん歳を重ねていっても共演できるように、僕も頑張ろうって思います。

佐藤 うれしいですね~。僕にとってはホントに尊敬できる役者さんであって、これから先も一緒に仕事ができる仲間でありたいなっていうのは、すごく感じますね。

植原 ありがとうございます!

佐藤 僕にとって太陽のような存在。会うとテンション上がるんですよ。

植原 よく言いますよ~(笑)。

佐藤 元気もらえるますからね、元気の源。

スペシャルQ&A【佐藤隆紀編】

――植原さんには言ってないけど、感謝していることは?

佐藤 芝居に関して、話し合いですぐ解決するよりも、役者としていい意味でのプライドを持って、ステージで自分がどういうことをやりたいのかを、しっかりアピールしなければいけないとか。そういう役者としての姿勢みたいなものを教えてもらって、ありがとうっていいたいですね。あと『キューティ・ブロンド』の楽屋は彼のおかげでホントに楽しかったんですよ。イタズラし合ったりしても、真面目な部分でのキャッチボールでしっかり投げ返してくれるので、ありがたかったです。すごく居やすかったですし、楽屋が一緒でよかった。

――植原さんに直してほしいところは?

佐藤 繊細なところですかね。繊細であるがゆえに、それで彼が苦しくなってほしくはないなって思うんですよ。気にしないで笑い飛ばすような部分がもう少しあったら、たぶん最強なんじゃないかなと思いますね。ホントにナイーブなところがあるので(笑)。そこがいいところでもあるんですけど、変わるともっと彼自身が楽になるんじゃないかなって。

――スマホの今の待ち受け画面は?

佐藤 わりと自然の写真を待ち受けにすることが多いですね。この前は、地元の福島の滝の写真にしていました。夕焼けとか自然の画像がいいです、元気がもらえるので。待ち受け画面は1回決めたら1~2年は変えないですね。

佐藤隆紀 撮影/伊藤和幸

――あなたにとって愛とは何ですか?

佐藤 やっぱり真摯(しんし)に思うことですよね。その人とか、そのものとか、作品もそうですけど、誠実さはすごく大事だと思います。誠実にそのものや人に向き合うこと。恋愛観の話になりますけど、落ち込ませたり落ち込んだり、恋愛っていろんなことがありますよね。だけどそれって絶対いつか幸せになるために必要な経験をさせてもらってると思うんです。傷つけられたからわかることもあるし、傷つけたから学んだこともあると思うし。だからそこで「傷つけられた、アイツは最悪だった」とかじゃなくて、そこを感謝する誠実な気持ちが愛に変わるのかなと。だからどんなに傷つけられた女性だとしても、傷つけてしまった女性だとしても幸せになってほしいし、そこには誠実にその人を思う気持ちというか――なんかそれは一般的に恋愛的な愛とはちょっと違うかもしれないですけど、人間的な愛を持っていたいなと思いますね。

――ご自分のトリセツ、植原さんのトリセツを教えてください!

佐藤 植原くんはシャイだと思うから、こちらから懐に飛び込んだほうがいいですね。そのほうが距離が縮まると思います。大好きだよっていう思いを持って。それで最初は褒めてあげたほうがいいですね、絶対に(笑)。いきなりダメ出しはしないほうがいいです、ナイーブなんで。ダメ出しとかをするならば、手紙とかで書いたほうがいいと思いますね。ちゃんと愛が伝わる言葉をのせて(笑)。

 自分のトリセツは、すごいウエルカムで、もういろんなことを気がねなく言ってほしいし、声もかけていただきたいです。ただ、礼儀のない方はちょっと苦手かもしれないですね。例えば、人前で「キャー、佐藤さ~ん!」みたいなのは苦手です。目立ちたくはないので(笑)。ミュージカルとかを自分が見に行ったときに、大きい声で声をかけられるのはすっごい苦手なので、そういうときは静かに声かけていただければ、全然ウエルカムなんで(笑)。あと、苦手なのはパクチー。自分から進んでは食べないです。

――最近、胸がキュンとなったことは?

佐藤 ファンの方からいただくお手紙でキュンとすることは多いですね。ホント読んでいて涙とか出ます。「人生で辛かったこととかもあるけれど、僕らの歌で救われた」とか、「元気もらった」みたいなことが書かれてると、ホント涙止まんないですね。“もう、このためだよな~歌ってるのって”ってキュ~ンってしますね。あとは幸せそうな笑顔を見てるとき。前回も言いましたけど、笑顔の素敵な人が好きなんですよ~。お客さんの笑顔も、街ですれ違った人の笑顔もキュンとします。

スペシャルQ&A【植原卓也編】

――佐藤さんには言ってないけど、感謝していることは?

植原 やっぱり歌のことですね。どういうふうに声を出すといいとか、シュガーさん自身が普段されていることをしっかり教えてくれるんです。自分のすごい武器とか得意なものって隠しておきたい人もいると思うのですが、どんどん教えてくれる。声の出し方なんか、ホントはお金取ってもいいのではないかというくらい、レベルの高いことを教えてくれて。他のキャストの方にも教える姿を見ることがあるので、「シュガーさんいいんですか?」と聞いたら、教えるのがとにかく好きだからっておっしゃっていて。教えることが自分の勉強にもつながるからって。毎朝、一緒にストレッチや声出しするときとかも、朝からレッスンが開かれているのかと思うような時間があって。

 他の作品で歌う前とかレッスンで練習しようかなと思うときに、シュガーさんの顔が出てくるようになりました(笑)。「シュガーさんはあんなふうに言ってたな」とか「じゃあこれでトライしてみようかな”とか。もう本当に感謝していますし、信じて間違いない方です。

――佐藤さんに直してほしいところは?

植原 直してほしいところとは少し違うかもしれないのですが、シュガーさんはめちゃくちゃ身体が硬いんです。何でも完璧なので、単純に柔らかくあってほしかったのですが(笑)。でも、身体が硬いのをかなりネタにしていて。稽古場でも、前屈とか全然できないのをみんなに見せて、笑いながら「ほら、こんな硬くても声は出るんだよ」と言うんです(笑)。だから、「そこはネタにしなくてもいいのに」って。芝居をいつも追求するぐらいに、身体も少しずつ柔らかくしてほしいなって思います。

――スマホの今の待ち受け画面は?

植原 待ち受けは初期設定のままですね。ただ、写真はすごく好きなので、スマホの写真フォルダに写真とか画像はたぶん人よりあるんじゃないかな。好きだなと思った絵やデザイン画みたいなのも保存していて、フォルダに入ってる画像は暇なときに見たりします。自分が写ってる写真でも「なんかこのシチュエーション好きだったな」とか、そう思えるものを見ていて、テンションが上がったりします(笑)。

植原卓也 撮影/伊藤和幸

――あなたにとって愛とは何ですか?

植原 愛とは……誰もが生まれてきた瞬間から受けているものだと思います。感じているものというか。僕が今一番感じるのは、やっぱり親からの愛。愛を持って育ててくれたんだなとか、すごく感じるようになってきて。なので最近は、今までより両親のことを意識して接するようにもなりました、もっとできることがあるかなとか。若いときはちょっとカッコつけてそっけなくしたときもあったので、その分を取り戻したいなという気持ちがあります。同年代のキャストでも、まだ親のことをあまり意識していない方を見ると、「もったいないよ」と思うことがあります。恥ずかしいのはわかるんだけど、もったいないよって思います。

――ご自分のトリセツ、佐藤さんのトリセツを教えてください!

植原 自分のトリセツは……褒められるのはやっぱりテンションが上がりますね。ファンの方からの感想も見るのですが、自分を昔から応援してくれている方が、「すごい歌がうまくなってきた」とか書いてくださるのを見るとうれしいです。また、最近僕のことを知ってくれた方が、ポロっとつぶやいてくださったのを見たときも、とてもテンションが上がります。たったひとつでも1日ハッピーになれる。ファンレターもすごくうれしいですし、舞台に出始めた19歳から今まで、読まなかった手紙はないです。プレゼントも全部見て使わせていただいてます。ここは一番主張しておきたいところです(笑)。本当にいつも皆さんのことを考えていますし、かなり影響されています。

 シュガーさんのトリセツ……。年下の場合、自分からガツガツ行くと、とても可愛がってくださいますね。僕は、出演する作品が決まったときに、シュガーさんと『キューティ・ブロンド』の楽屋で話していたことを思い出すんです。次こういう作品で出られたらいいなとか、お互いに結構ディープなところまで話せたので。それで、「僕、こういうのが決まってうれしいです」ってシュガーさんに伝えるんです。最近も「楽屋で話していた、出演したかった作品が決まったんですよ」ってメールを送ったら、「ホントに良かったね」ってキラキラキラ~というような絵文字付きで返信してくれて、とても感動しました。

――最近、胸がキュンとなったことは?

植原 街を歩いていて、たまたま前から歩いてくるOLさんが、すごく微笑んでいたんです。ひとりで歩いてたんですけど、その人が一瞬切り返して、後ろに戻っていったんです。不思議に思って見ていたら、そこに咲いていたきれいなお花を、急にうれしそうに撮り始めたんです。

 ここからは僕の妄想になってくるのですが(笑)、歩いてたときにお花を一瞬なんとなく見て、思わずキレイなお花があったなと思ってテンションが上がったのか、「あ! 写真撮っておこう」って思って撮ったんだろうなって。でもその様子がすごく自然で、胸キュンしました(笑)。男にはない感覚だなと思います。なんて素敵な日常を垣間見れたんだと、ホントに思いましたね。あまりにもドラマみたいなストーリーだったので覚えておきたくて、携帯にメモしました(笑)。

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<プロフィール>

さとう・たかのり◎1986年2月5日、福島県生まれ。O型。ヴォーカル・グループLE VELVETSメンバーとして’08年デビュー。テノール担当。ミュージカル俳優としても活躍。2018年1〜2月ミュージカル『マタ・ハリ』(大阪梅田芸術劇場・東京国際フォーラムホールC)に出演。LE VELVETSの活動は、12月5日京都ディナーショー、12月15日NHKホール、12月24日名古屋ディナーショー、12月25日山口きずな音楽祭に出演。

うえはら・たくや◎1988年6月22日、大阪府生まれ。A型。2000年デビュー。ミュージカルからストレートプレイまで数多くの舞台に出演する実力派。今後は、ミュージカル「『黒執事』-Tango on the Campania-」(12月31日~ TBS赤坂ACTシアターほか)、地球ゴージャスプロデュース公演Vol.15『ZEROTOPIA』(’18年4月9日~ TBS赤坂ACTシアターほか)出演。

(取材・文/井ノ口裕子 撮影/伊藤和幸 ヘアメイク/宮内直人)

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