にんにくと豚肉の料理は最高の組み合わせ

にんにくは最強の食べ物?

 にんにくが身体や健康にいいという情報はたくさんあります。ただ、間違ってはいけないのは、そうした情報の元になっている実験データには欧米人を対象にしたものもあるという点です。

 そのまま日本人の食生活や健康に当てはまるとは限りません。

にんにくは免疫力を高める働きがある自然のサプリメント

 それでも、にんにくには免疫力を高める働きがあります。にんにくに含まれるアリイン(天然で強力な酸化防止剤)の細胞が壊れることでつくられるアリシンの疲労回復効果、生活習慣病につながる血糖値や血中コレステロールの上昇抑制効果が期待できるのはとても魅力的。

 そういった意味で「にんにくは自然のサプリメント」という言い方も間違いではないわけです。

疲れやストレスで免疫力が低下するとがん細胞が活発化する

当記事は「BUSINESSLIFE」(運営:ビジネスライフ)の提供記事です

 ところが、疲れやストレスが溜まり免疫力が低下してくると、がん細胞が活発化してしまうわけです。

 免疫力を常に高めておくことは忙しいビジネスパーソンの健康には、とても重要なテーマの一つ。ですからスタミナ食としてにんにくを使った豚肉料理などは、元気になれそうな気がするだけでなく栄養学的にも理にかなったものです。

豚肉とにんにくの組み合わせは理にかなった最高の料理

 豚肉に多く含まれるビタミンB1とニンニクのアリシンが結びつくことで体内に長く栄養素を留まらせて疲労回復を助けてくれるからです。

 韓国料理などでも豚肉とにんにくは多く使われ、それと一緒にワカメスープが出されることも多いのですが、これも「水溶性食物繊維」の力で取りすぎた脂質などを排出させる働きがあり、ワカメに含まれるマグネシウムがプラスされることで疲労回復効果がさらに高まり、良い組み合わせだと言えます。

 ちょっと疲れたので豚肉やにんにくが食べたいなと感じるのは、身体からのサイン。自分の身体が自然に欲しているものは、今まさに身体が必要としているものだと思って素直に摂取するようにしてみましょう。

 さて、にんにくの次はこれもよく話題になる、牛乳の話です。

温度は「人肌」が身体に優しい

牛乳を飲むとよく眠れるというのはホント?

 育ち盛りの子どもたちだけでなく、働き盛りのビジネスパーソンにも牛乳はいい働きをすると言われますが、その理由はなぜでしょうか。

 人間の身体や生体機能を維持するのに欠かせないアミノ酸の中でも、食べ物などで外部から補う必要があるものを必須アミノ酸と言います。

牛乳に多く含まれるトリプトファンはセロトニンの原料となる

 実は、牛乳には必須アミノ酸の一つである「トリプトファン」が多く含まれているのです。

 トリプトファンが血液を通じて脳の運ばれると、ビタミンB6やナイアシン、マグネシウムと共に、精神を穏やかにする働きのある神経伝達物質「セロトニン」をつくる原料になります。

 このセロトニンが不足してくると不安に襲われたり、寝つきが悪くなって不眠などの原因になります。

 そうなると仕事のパフォーマンスにも悪影響を及ぼすことから、トリプトファンの補給に牛乳は効果的だと言えるわけです。

トリプトファンの効果的な摂り方は「過剰NG!」「牛乳は人肌で」

 ただし、このトリプトファンも長期に過剰摂取すると、肝臓に負担を与えたりするため「今日は疲れたのでぐっすり眠りたいな」というときに、意識的に牛乳を飲んで寝るというぐらいがいいのではないでしょうか。

 トリプトファンは冷たすぎても暑すぎても働きが弱くなるので、人肌程度に温めた牛乳を飲むのが効果的。身体も温まって誘眠効果もあります。

子どもと違って大人は通常それほど積極的に牛乳を飲まなくても問題ない

 牛乳は大人になってからはそれほど積極的に摂取しなくても問題ありません。幼児や小学生、中学生はカルシウム補給などで必要ですが、大人になると乳糖を分解する酵素がなくなるため、どうしても牛乳をたくさん飲むと腸に負担がかかるという人も多いです。

 むしろ牛乳の脂肪分も気になるので、大人の場合は豆乳のほうがいいかもしれません。

「忙しい人の世界一シンプルな「食」習慣」の著者である杉本恵子さんは、30歳を過ぎてから牛乳だけをそのままコップで飲むという習慣がなくなったそうですが、特に健康上の問題を感じたこともないそうです。

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 しかし特に女性の、骨粗鬆症予防のためにもカルシウムを多く摂ろうと思うと豆乳よりも牛乳がおすすめです。低脂肪や無脂肪の牛乳であれば脂肪分が豆乳よりも少ないです。

大人の牛乳の飲み方は一度に大量に飲まないこと

 一部の、乳糖を分解することができない「乳糖不耐症」の人は、牛乳を飲むと腸に負担がかかって下痢をしてしまいますが、ただ大人になって乳糖を分解する能力が減った場合は、一度に大量に牛乳を飲むことをしなければ、十分に乳糖を分解することができます。

 冷たい牛乳1本で下痢をしてしまう人でも温めて少しずつゆっくり飲めば大丈夫なケースもよくありますよ。