札幌ドームを皮切りに、11月17日から全国5大ドームツアーが始まった(*画像はイメージです)

 

「ジャンボうちわやポスターに、オリジナルフォトセット、会場でしか買えないネックストラップ……。毎回どんなグッズが発売されるのか、いつも楽しみなんですよね」(嵐ファンの女性)

 11月17日から札幌ドームで始まった嵐のドームツアー『ARASHI LIVE TOUR 2017-2018「untitled」』。毎回、チケットの倍率が数十倍にもなる超人気のライブツアーだ。多くのファンが楽しみにしているのが、ドームツアーでしか買えないオリジナルグッズなのだが、今年はある商品をめぐって不満の声があがっているという。

ペンライトが1本2500円もするんです。昨年のライトも2300円と高かったんですが、今年はさらに200円値上がりしちゃって……。しかも、それがないとライブが楽しめないようになっているんですよね」(同・ファンの女性)

 嵐のドームツアーでは、'14年から自動制御型のペンライトが販売されている。座席に設置されているマークとライトについているマークを事前にタッチして同期させておくことで、ライブの演出に合わせて、自動的にライトの色や点灯の仕方が変わるというものだ。

「昨年までは古いツアーのライトにも対応していたんです。でも、今年は古いものだと、ただ光がつくだけなんですよ。例えば、ライブ中、周りがみんな赤色に点滅しているのに、自分だけ青色みたいになってしまうんです。

 周りのファンに古いライトを使ってるって思われてしまいますし、ライブの一体感も楽しめませんから、どうしても新しいものを買わないといけなくなってしまうんです」(同・ファンの女性)

 ファンの気持ちはもっとものように思えるが、そもそもこうしたペンライトはどのような仕組みになっているのか。ライブで使われるペンライトを研究している、埼玉大学情報理工学部の小林貴訓准教授が説明する。

ステージやライブ会場には照明を操作するシステムがあり、会場を照らす照明を制御する信号の規格は決まっています。多くの場合、この規格に従った信号をペンライトに向けて送信し、ライトに内蔵された電子回路が受信することで、会場内の照明と同じようにペンライトの色を操作します

 今回の嵐のドームツアーで使用されるペンライトは、いったいどのくらいのコストがかかっているのだろうか。

「原価でいうと、だいたい1000円前後ではないでしょうか。でも、ライトに信号を送るための設備も必要になってきますからね。

 ペンライト用の通信設備を一から整備すれば、数千万円くらい、もともと設置されている設備を生かしたとしても数百万円程度はかかると思います。それを考えると2500円という値段もしかたがない気もしますが……」(小林准教授)

 1年を締めくくる嵐のビッグイベントを盛り上げるためとはいえ、若いファンたちにとって2500円は決して安い額とはいえないのでは……。