愛犬を抱え直撃取材に15分以上も真摯に答えてくれた、森泉

今年の夏ごろからあの家の前を通ると動物園のようなニオイがする日がたびたびありました。最近は犯人の家から悪臭が出ていた凶悪事件もありましたし、ちょっと心配ですよね」(近隣住民のひとり)

21種類30匹のペット

 東京の都心にある一軒家。寺院などに囲まれたこの一帯は、木々がうっそうと生い茂りとても都内にいるとは思えない。その土地にある3階建ての一軒家から時折、異臭が漂っているというのだ。

「たまに犬や豚の鳴き声が聞こえてきますよ。動物を洗っているのか、汚水が道路にあふれて坂の下のほうまで流れてくることもありましたね。あまりにも異臭がする日があったので、この前の町内会で話題になったところなんです。これが続くようなら、抗議しようと思っています」(別の近隣住民)

 ご近所中で、この家のペットのニオイが話題になっているという。そして、この“ご近所トラブル”を起こしている家の主は、なんとお嬢様タレントで有名な森泉なのだ。

「森といえば世界的デザイナーの森英恵の孫として、パリの社交界でも知られるセレブ中のセレブですよ。そして、動物好きを公言しており、そのスケールもやはり一般人とはかけ離れているんです。

 7月に放送されたテレビ番組では、現在21種類30匹のペットを飼っており、エサ代だけでも月に100万円を超えていると話していましたね」(芸能レポーター)

 犬のほか、ナマケモノや豚、鳥や爬虫類までも飼っており、ちょっとした動物園といった様子だ。

2〜3週間くらい前だったかな、“オウムが逃げたの!”って言いながら、走って探し回っていましたね。このあたりは自然が多く残っているから動物を飼うにはいい環境だと思うけど、さすがにニオイが出ちゃうとね。そこだけ気をつけてくれれば全然いいんだけど」(別の近隣住民)

『週刊女性』が森の自宅に行ってみると、雨上がりだったこともあって、道路にまで強めの“動物臭”が漂ってきた。ただ、木製の高い塀に囲まれているため、家の中はうかがうことができない。

「豚ちゃんのニオイに文句でもあるの〜!?」

「今まで住んでた都内の自宅が再開発地域になってしまったため、どうしても立ち退かなくてはいけなくなったそうです。そこで、ここは仮住まいとして借りて、しばらくしたら別のところに引っ越すようですよ」(芸能プロ関係者)

 仮住まいとはいえ、さすがにご近所からここまでクレームが上がっていては……。

 そこで11月下旬、母親のパメラさんが運転する車で帰宅した森を直撃取材した。

──すみません、ペットの悪臭でご近所の方々とトラブルになっていると聞きました。今も豚のニオイがしますが?

「豚のニオイします? 今?」

 突然の取材に戸惑いの表情を浮かべながらも、立ち止まり答えてくれた。

──すごくすると思うのですけど……。ご近所さんから文句は出てないですか?

「ちゃんと大家さんから飼う許可をもらっていますからね。今日は雨も降っているからにおうんじゃないですか? でも基本的には実家にもいたりするんで。行ったり来たりなんです。これ何? クレームに来たの? 豚ちゃんのニオイに文句でもあるの~!?

 そう言いながらも、カメラマンに向かってサングラスをはずして笑顔を見せる。

──ご近所からは“ちょっとニオイが……”なんていう声が出ているようです。

「基本的にうちの子はみんなペットシートにおしっこをして、それを片づけている感じなんで……。ここは仮住まいなので(動物たちは)みんな我慢しているんですよ。フェンスとかも急きょ作ったんです。

 だから、そういう意味では周りには迷惑をかけているかもしれないですけど……。早くいい家を作って、みんなで幸せに暮らしていけたらなと思っているんです

リフォーム中の自宅に違法の可能性

 “早く家を作る”という言葉にピンとこない方も多いかもしれないが、森は現在『幸せ!ボンビーガール』(日本テレビ系)内の名物コーナー『泉お嬢様の空き家再生大臣』で、趣味のDIY(専門業者ではない人が自作すること)を生かして都内の一等地にある築52年の空き家をリフォームしている。

リフォーム中の森の新居。両サイドには住宅が建っている

 しかも、4000万円もの自腹を切るほどの気合の入れよう。つまり、新しくペットと暮らす家を作っているのだ。

「今年7月にオンエアされた番組の中で、物件を購入しているのです。ただ、3年ほど空き家だったためかなり老朽化しており、このままでは住めるような状態ではありませんでした。しかも、建築基準法に定められた接道義務を果たしていない土地なので、再建築できない。そのため、相場の半値で手に入れたそうです」(スポーツ紙記者)

 建築基準法第43条1項によれば、“敷地は原則として幅4メートルの道路に2メートル以上で接しなければならない”という『接道義務』を課している。つまり、道路に接する間口が最低でも2メートルないと、防災上危険なため、再建築は認められていない。

 そこで、森は再建築ではなく、“大規模リフォーム”というかたちをとっているのだが、それに関して不動産コンサルタントの早坂龍太氏(株式会社不動産流通システム 委託ライター)が、同社のサイト上でこう疑問を呈している。

《建物構造を大きく変化させるような増築も認められていません。建築確認申請が必要な、新築や大規模改造は基本的に許されないのです》

 つまり、森のリフォームが法律上、問題がある可能性を指摘しているのだ。

 そこで、記事を公開している株式会社不動産流通システムの宅地建物取引士・冨永晴彦氏に、『週刊女性』記者とともに森がリフォームしている家を外から見てもらい、問題点を指摘してもらった。

「森さんの物件は確かに建築基準法第43条1項に定められている『接道義務』を満たしていないため、再建築不可の物件ですね。内装のリフォームはできるのですが、厳密には改築することができません。

 つまり、柱などの骨組みは補強することはできますが、それを取り除いたり、新しい柱につけ替えることは厳密にいうと違法です。また外壁を塗り直すことはできても、新たに壁をはがして新しいものに張り替えたりすることなども、原則できません。

 なので、森さんが番組で行っていた浴室の柱を取りはずす工事などは違法である可能性が高いのです。行政に通報があれば是正勧告や行政指導を受けるかもしれません」

 やはり、番組内でのリフォームについて、違法である可能性があるという。しかも彼女が購入した土地は132平方メートル(40・1坪)と広いが、四方を民家に囲まれている。

困惑する住民

 ここに30匹のペットが暮らすというのは、同じく“ニオイ問題”が発生してしまうのではないだろうか? 近隣住民に話を聞いてみると、

「9月ごろでしょうか。男性の方が“お騒がせするかもしれません”と、挨拶に来られました。でも、森さんが来るとかテレビの取材が来ているなんて、いま初めて知りましたよ」(近所の主婦)

 と、森のリフォームを驚く人もいれば、

「えっ、30匹も動物が来るの? まだ、来ていないから何とも言えないけど、これだけ家が密集しているから心配ですね……」(近所の男性)

 と、困惑の表情を浮かべる人もいた。

 そこで、森にあらためて、リフォーム中の家について質問した。

ペットたちがすむであろう中庭には木が生い茂る

──『ボンビーガール』で作っている物件は住宅が密集しています。あそこで30匹のペットが暮らしたら、また苦情が来るのでは?

「新しい家のほうが大きいんですよ。庭もあるし。ちゃんとした中庭もできますし、そこに豚ちゃんとかがいたら周りも気にしなくっていいですし。そういう意味ではそれも含めて考えているので。応援してくださいよ!」

──テレビの企画ということで、終わったら引っ越すんじゃないか、という声もありますが?

「いや絶対住みますよ。私には夢が……(マスクに手を当て)風邪ひきながらも……」

 母親のパメラさんが「頑張りやさんよ!」と言うと、

「でも楽しいです。テレビじゃなかったらできないことも多いじゃないですか」

──なので、再建築不可物件を?

「(即答で)そうです。だから、それがいいなって思って。みなさんそういった物件には手を出さないじゃないですか。

 どういうふうになるのか最後までわからないですけど、夢としてはもちろんきれいなものを作って、“ああ、再建築不可っていうとちょっと抵抗あるな”っていうのを思わなくなってくれたらうれしいなっていうチャレンジですね」

新居は来春の完成だが、「サグラダ・ ファミリアだから(笑)」と笑顔の森

──あのような大規模な改築に関しては、違法の可能性があるのではと指摘されていますが?

「そこは気をつけて。一緒にやってるスタッフさんもいつも頭を抱えているんですけど、テレビが入らなかったら簡単なことなのに、こんなに大変になっちゃうんだと言っていて。

 区の法律も厳しいんですよ。窓とかドアとか。そういったお金はかかっちゃうんですけど、そこはちゃんとやりたいなと思っています。みなさんやったことがないことにチャレンジしてもらっているんで。楽しいは楽しいけど、そのぶんのリスクがあることはわかっているんです

 そのチャレンジに関し、冨永氏も森にエールを送る。

「このような接道義務を果たしていない物件のため、売るに売れず放置されたままの家は日本中にたくさんあります。これらの家屋が倒壊したりすれば、間違いなく近隣への迷惑となります。都心をはじめ、全国的に空き家問題は深刻化しています。

 その対策のためにも、接道義務を果たしていない土地に、防火対策などをより強化することを義務づけることで、再建築できるよう法改正されることが必要だと思います。その問題提起の意味でも、今回の森さんのチャレンジは、とても意義のあるものだと思います」

 プロの宅地建物取引士が応援していることを伝えると、

「すごいうれしいですね。希望になります。いろいろ言われるんですよ。“こんなボロいところは潰して、新しく建てたほうが絶対いい”とか。でも、思い入れが違うんだと思うんですよ。私はカッコいいのを安く早く作りたいです」

 そこで、番組を放送する日本テレビに違法建築疑惑と購入費について質問すると、

《一級建築士監修のもと、建築基準法を順守してリフォームを行っております。また、物件の購入に際しては番組から補助はありません》

 と書面で回答が送られた。

「いずれにしろ今日、指摘されたことは気をつけますね!」

 笑顔で自宅に入っていった森。どんな“お嬢様ハウス”ができあがるのか、今から楽しみだ。