松坂桃李 撮影/廣瀬靖士

「年々、後輩が増えていき気がついたら僕は所属事務所の男性アーティスト枠で2番目に古い人になっていたんです。僕に続いて菅田将暉が3番目。忘年会でも挨拶をする順番が後ろのほうに変わってきました(笑)」

 現在、朝ドラ『わろてんか』でヒロイン・てんの夫・藤吉を好演中で、映画にドラマ、CMにナレーションと、とにかく引っ張りダコの松坂桃李(29)。

 テレビで見ない日はないほどの活躍を見せる彼だが、疲れた表情ひとつ見せることなく、爽やかな笑顔で穏やかに、そしてときに冗談を交えながらひとつひとつ丁寧に答えていく。

「今こうして仕事ができているのは、先輩方がいろんな仕事をしてきてくれたからだと思います。それと同じように、今度は僕が後輩の子たちのために仕事でいろんな出会いを増やしていきたいです」

 今年はひとつひとつの作品で“色濃く”表現していきたいという松坂。

 ときに殺人犯、ときに娼夫、ときに童貞を演じるなど、とにかく今の彼は変幻自在! そこには確かな手ごたえを感じているようで、

「20代後半からマネージャーさんと相談していろんなジャンルの作品、監督とやっていきたいねって話していて。僕、今年で30歳になるんです。20代でやれる仕事はやりきったと言えるはず。だから、あとは結果を待つのみです」

再びかわいいクマの声を演じます!

 そんな彼がたまらなくかわいいクマの声を演じて話題となった『パディントン』が2年ぶりに帰ってきた!

「個人的にもすごく面白かったですし、見ていただいた方の反応もよかったので、1の段階ですでに2はあるなと予感していました。なので、お話をいただいたときは“ついに……待ってました!”って感じでしたね」

 目の前にあるパディントンのぬいぐるみを見つめ、“本当にかわいいですよね。何もできないドラえもんみたいで(笑)”とニッコリ。

 ちなみに自分の声は好き?

「いや~。俳優という仕事を始めて、そのとき自分の声を初めてちゃんと客観的に聞いたんですが“気持ち悪っ!”って思いましたね(笑)。そこからず~っとそう思っていたんですけど、最近ようやく自分の声に慣れてきました」

松坂桃李 撮影/廣瀬靖士

 自己評価は低いが、松坂の声にはどこか優しさがにじみ出て、紳士で純粋なパディントンの声にピッタリ。

 今回、パディントンはとあるプレゼントを追い求めて大冒険を繰り広げるが、松坂がどうしてもプレゼントしたい相手とは……?

「甥(おい)っ子がいて、とにかくかわいくて。子ども服でめちゃめちゃ高いブランドがあるんです。それをプレゼントすることで、甥っ子の僕に対する株を上げたいです(笑)」

 しかも、さらなる相乗効果を狙っているそうで、

「それを着た甥っ子を見て、近所の方が、“(ヒソヒソ声で)あの子、あのコート着てる! 誰からもらったんですか? え、弟さん!? スゴ~イ!”みたいな(笑)。

 甥っ子たちに、僕がパディントンの声をやっていることをわかってもらえれば……。もう僕の株は、だだ上がりで間違いないでしょう!」

松坂桃李 撮影/廣瀬靖士

スペシャルQ&A

 最近感じた“家族愛”は?

「家族のグループLINEがあるんです。僕はあまりコメントしないんですけど、たまに両親から“この飲み物は飲みすぎ注意です!”というコメントとともにURLが貼られてきて。“みなさん気をつけてください”って(笑)」

 パディントンはさまざまなバイトに挑戦しているけれど……?

「僕の初めてのバイトはスーパーの青果コーナー。意外ですか? 野菜を売ってたんです。ところが料理の知識がまったくなくて。“この野菜はどう調理したらいいですか?”と聞かれるたびに“煮物にしたらいいと思います”と答えていました(笑)。野菜はたいてい煮たらおいしくなります。間違いではありません!」

<映画情報>

『パディントン2』1月19日(金)全国ロードショー

 すっかりロンドンっ子になったパディントン。お世話になったルーシーおばさんの100歳の誕生日に、世界で1冊しかない飛び出す絵本をプレゼントしようとアルバイトを開始! だが、その絵本が何者かに盗まれてしまい……。

日本語吹き替え版キャスト/松坂桃李、古田新太、三戸なつめ、斎藤工ほか