海外経験豊富な雅子さま。ハーバード大の卒業式で('85年6月)

「雅子さまは、23日に発生した草津白根山の突然の噴火に驚かれていて、犠牲者や負傷者が出たことに心を痛めておられます。

 報道などで状況を見守っていますが、今後の噴火活動の動静をご案じになっておられるようです」

 雅子さまの近況をそう話すのは、宮内庁関係者。

 娘の愛子さま(16)は、1月初めにインフルエンザにかかってしまったが、今ではすっかり回復され学校も元気に通っていて、雅子さまも安心されているだろう。

「24日には、皇太子さま(57)が内閣府の青年国際交流事業のひとつである『世界青年の船』に参加の10数か国の青年代表らと接見されました。

 この事業は、各国の青年たちがディスカッションなどを行い、国際的に活躍できる若者を育成することを目的としているものです」(同・宮内庁関係者)

 常日ごろから皇太子ご夫妻は、こういった「次世代」に関連する人々と積極的に交流したり、行事などにも参加されているのだが、雅子さまの最近の好調ぶりにも関係しているという。

東宮職とのコミュニケーションが円滑に行われていることが雅子さまにいい影響を及ぼしているようです。というのも、皇太子ご夫妻には自分たちの“色”として“次世代の若者を奨励したい”というお気持ちがあります。

 例えば、'13年と'15年の東日本大震災からの復興支援活動を行う『OECD(経済協力開発機構)東北スクール』の高校生メンバーとの懇談などが挙げられます。

 そういった若者と交流するプランを、担当の東宮職が提示できるようになったことが、雅子さまの“好調ぶり”につながっていると聞きました」(東宮職関係者)

 昨年12月のお誕生日の際にも「できることが少しずつ増えてきたことをうれしく思う」と、回答されていることからも、来年5月に「新皇后」となる雅子さまの「自信」につながっているにちがいない。

雅子さま

 一方で、政府内でもお代替わりに向けた動きが本格化している。1月9日には、陛下の退位や皇太子さまの即位に関する式典などのあり方を話し合う準備委員会の初会合が開かれた。

「菅義偉官房長官をトップとして、山本信一郎宮内庁長官も含むメンバーで、月1回ペースの会合が行われ、3月中旬に基本方針をまとめる予定だそうです。出席者からは、即位の礼に関して、“現在の陛下の例を踏まえた基本的な考え方や内容を踏襲するべきだ”などの意見が出ています」(皇室担当記者)

 約200年ぶりの退位に関する具体的な話が進行する中、皇后としての雅子さまの「お仕事」に対して不安の声がまだ聞かれるという。

昨夏以降は、地方訪問を何度もこなされるなど公務へのお出ましが増えているといっても、数的には美智子さまより少ないのが現状です。

 お代替わりのあと、“平成流”をきちんと受け継げるのかについて疑問の声も上がっています」(同・皇室担当記者)

 美智子さまの膨大な量の公務を皇后として引き継いでいくことは、療養中の雅子さまには難しいように思える。そんな中、皇太子ご夫妻は両陛下の意志を引き継ぎながらもご自分たちの“新スタイル”を検討しているという。

お代替わり後、ご夫妻は両陛下の現在の公務を引き継ぎながら、おのおので別々の公務を担当するというスタイルを視野に入れておられるようです。具体的には、皇太子さまが天皇としての公務をなされる一方で、雅子さまがグローバルな公務を担われる“共働き”という形のようです」(東宮に近い人物)

 現在、陛下と美智子さまはおふたりでお出ましになるという形が定着しているが、皇太子ご夫妻は、あえて公務を分担することをお考えになっているというのだ。

コンサートなどへのおふたりでのおでましは定着している(1月15日、都内で)

 この試みについて、皇室を長年取材するジャーナリストで文化学園大学客員教授の渡邉みどりさんはこう話す。

「今の両陛下は、公務の際などにおふたりでお出ましになることが当たり前になっていますし、それが“平成流”として浸透しています。

 雅子さまは、最近お元気なご様子ですが、まだ療養中であるので、お代替わりのあとに美智子さまのように、すべての公務にお出ましすることは難しいかもしれません。

 その状況を鑑みて、公務を皇太子さまと分担することになれば、ご負担も軽減されるので、雅子さまにとっても好ましい方法だと思います」

 おふたりで公務をこなされることがいちばん望ましいとしたうえで、宮内庁OBで皇室ジャーナリストの山下晋司さんは、次のような見解を示す。

「女性皇族は、陛下がおっしゃったように、その場の空気に優しさと温かさを与え、人々の善意や勇気に働きかける存在ですから、皇后陛下がご一緒に出席されるにこしたことはありません。

 ただ、天皇陛下だけの公務になったとしても、象徴としてのご活動自体に問題はありません。お代替わり後は、ご自分たちの新しいスタイルで公務をおやりになると思いますが、活動をどのように国民に示されるのか楽しみです」

「共働き」という言葉を国民が受け入れる時代に

 '07年の皇太子さまのお誕生日に際しての記者会見では、公務については雅子さまのご体調次第としたうえで、次のように述べられた。

《雅子との公務の分担については、そもそも公務といいましても個々の活動内容が異なり、公的な性格にも濃淡がありますので、ケース・バイ・ケースで検討して、その検討過程でふたりで行うか私単独か、あるいは雅子単独での活動となるかという答えが自然と出てくると思います》

 雅子さまの単独公務の可能性を示唆されていることからも、公務を分担されていく可能性はある。

 実際、『平成28年度厚生労働白書』によると、'90年代中盤から、共働き世帯数が夫だけが雇用者の世帯を上回り、その差は年々広がっている。

 一般家庭とは意味あいがちがうだろうが、“共働き”という言葉を国民が自然と受け入れることができる時代になった。

雅子さまは、外務省にお勤めでしたし、たびたび国連大学を訪れて授業を聴講したり、母校・ハーバード大学の同窓会に参加されるなど、海外との接点が多い方です。

 ご家族の影響もあり、お父さまと同じように外務省に入っておられたので、お仕事を分担して国際系の公務を担われると、現状よりもさらなるご活躍が期待できるでしょうね」(渡邉さん)

 お代替わり後は、自分たちのスタイルを確立されて「新時代」の皇室に新しい風を吹かせてくれることだろう。