記者が注文したポテチのページ。現在、このサイトへアクセスすることはできない

 つまみに何を食べるか悩むけど、仕事後の1杯がとにかく楽しみ! 最近、風水にはまり玄関の盛り塩を始めた30代の干物系女性記者が、怪しいショッピングサイトに突撃!

「具体的な商品名やキーワードで検索すると悪質なショッピングサイトに引っかかることがある」(警察庁生活安全局担当者)

 とのことだったので、つまみになりそうな乾き物・菓子の商品名でひたすら検索すると、かなり危険なにおいのするサイトを発見。お菓子がとにかく安い。

 スナック菓子のほか地方の銘菓「白い恋人」「ちんすこう」、海外のチョコレートや和菓子、洋菓子まで何でもそろっている。手に入りにくいような限定商品も多く、まあ怪しい雰囲気は十分だろう。

悪質サイトとのやりとりメール

 万が一、悪質サイトに見える優良激安サイトである可能性も考えて、ここは大好物の「湖池屋スティックポテト1袋(40グラム)×96袋」を注文することに。

 メーカーの希望小売価格は1袋あたり90円前後。サイト内の定価8489円のところを、5942円で売る絶妙な割引率。でも、96袋もあったら晩酌のお供には当分困らないし、これはお買い得なんじゃないかと、パソコンの前であれこれ考えているうちにヤバいサイトだということを忘れそうになった。

 3月27日夕、メールアドレスなど必要な個人情報をこわごわ入力し、『ご注文手続きへ』のボタンをポチッと。画面に「ご注文の手続きが完了しました」の文字が表示された。

口座名義は個人名、それも外国人名だった

 たいていの大手サイトなら1~2分以内に注文した商品や支払いに関するメールが届くが、注文から丸1日以上たってから振込口座を案内するメールが。

 指定されたのはゆうちょ銀行の外国人名の個人口座。これは完全にヤバいと思いつつ、同29日午前中、近くの郵便局の窓口で5942円を振り込み、業者のアドレスに、「振り込みました。商品はいつ届きますか」とメールを打った。

業者から送られたメールには具体的な発送日時は書かれておらず、返信すると……

 すると、

「振り込みを確認しました」と即、返信が。

記者からのメールにすぐに業者から返信があった。ところどころ不自然な日本語が使われている

 怪しい気配を感じつつも「具体的にはいつの発送になりますか」とメールを返す。今度は約2時間後に、「注文品は配送中です」(業者)

発送日時、場所、宅配業者の追跡番号などの情報は一切なかった

 と、返信があった。そこで、「宅配便業者と追跡番号を教えてほしい」とメールをすると、またもや2時間後、追跡番号が入ったメールが送られてきたが、文面には「1月26日に発送いたします」と、時系列がデタラメな記述があり、追跡番号は宅配便業者のホームページで照会しても該当しなかった。

要望に対して送られてきたメールはデタラメなもので、荷物番号を確認するも該当なし

 これは来ないな……。確信に変わった瞬間だった。

 ほかにも別の怪しいサイトで盛り塩用の「赤穂の天塩 粗塩20キロ」(3850円)を注文したところ、恥ずかしい“事件”が発生!

 郵便局のATMで指定された口座に振り込もうとすると、なぜか「窓口へ」と記されたレシートが出てきた。ところが窓口でも入金できず、10分ほど待たされていると、郵便局員がこそっと小声で告げてきた。

「この口座は犯罪に使われた可能性があり、凍結されています。振り込み前でよかったですね」

 ぎこちない笑顔で「そうですね」としか言えなかった。

 ポテチは同31日現在、届いていない。覚悟はしていたもののダマされた怒りは消えない。今日もお酒の量が増えそうだ。