外資系のレコード会社は忖度なし?

2年ほど前から音楽関係者の間では、彼がグループを脱退したがっていたのは有名でした。ですが、事務所まで辞めるとは思いませんでしたよ」(レコード会社関係者)

 4月15日、都内のホテルで会見を開いた関ジャニ∞。そこで、渋谷すばるが年内いっぱいでジャニーズ事務所を退所することが発表された。

「'16年にソロカバーアルバムを出すなど、彼はミュージシャンとしての活動に注力したかった。会見では“バラエティー番組に出ることがイヤだったか?”と聞かれ否定していましたが、本心は面白く思ってなかったはずですよ」(同・レコード会社関係者)

 それでもアイドルグループの一員として、ファンのために与えられた仕事をこなしてきた渋谷。だが、36歳になり将来への大きな決断をした。

「“東のタッキー、西のすばる”と言われたように、Jr.時代は頭ひとつ抜けた存在でした。実際に関ジャニ∞を結成した際も、美少年で歌がうまい渋谷が中心人物でした」(音楽専門誌ライター)

 だが、デビュー当時はナンバーワンの存在であったものの、グループの人気が上がるにつれて、その立ち位置は微妙なものになっていく。

笑いのセンスやトークのうまさで番組MCを務める村上信五や横山裕に加えて、ドラマなどで活躍する錦戸亮がグループの人気を支えるようになった。それに対し不器用でシャイな渋谷が、彼らに劣等感を抱いても不思議ではないでしょう」(芸能レポーター)

 浮いた存在の彼を、最後までかばっていたのが錦戸だった。実際に会見の日まで、溝が生まれたほかのメンバーとの間をつないでいたという。

渋谷すばる(2018年元旦初詣)

 また、会見で驚きをもって受け取られたのが、ジャニー喜多川社長に脱退を報告したのが会見の2日前だったということ。いくらジュリー藤島副社長が育てたグループであり、脱退を止めるよう説得していたとはいえ、事務所のトップが知ったのが2日前というのは不自然だろう。

渋谷はJr.時代にジャニーさんから歌のうまさを認められアメリカ・ロサンゼルスへの音楽修業へ行くことになっていたのです。ですが、'01年のアメリカ同時多発テロで、その話はご破算になってしまった。

 その後、渡米のチャンスは巡ってくることはなく、彼はかなり落ち込んだといいます。渋谷の気持ちの中で、わだかまりができたのでしょうね」(芸能プロ関係者)

5大ドームツアーには参加せず

 渋谷の関ジャニ∞としての活動は6月いっぱい。7月からスタートする5大ドームツアーには参加しないにもかかわらず、事務所には12月いっぱいまで残る。

「年末までグループとして契約が残っているCMがあるので、それまでは辞めることはできないのです。ツアーに参加する気はあったようですが、ほかのメンバーが断ったそう。実際に会見で彼は“コンサートの製作は始まっていたので、すべて終わるまで責任を持ってやらせてくださいとお伝えさせていただきました”と明かしている。

 ただメンバーが出演をOKしても、事務所側が脱退する人に花を持たせるようなことはさせません。どちらにせよツアーには参加できなかったと思います」(同・芸能プロ関係者)

 つまり、7月からは事務所で“飼い殺し”状態となる。

もちろん、退社まで給料は払うでしょうが、固定部分だけ。収入は激減します。脱退を発表したら、これまでに撮った分はオンエアしても、もうテレビの収録もないでしょう。番組や映画に出ると出演料が入りますが、それがなくなる。これまで渋谷は曲も作っていたので、印税収入やショップでの生写真の歩合は入ってくると思いますが……」(同・芸能プロ関係者)

 まさにイバラの道だが、このタイミングでの発表はベストだという声も。

「外資系のレコード会社はジャニーズ事務所に忖度しないのですが、それが近年、より顕著になっています。

 ヒットに恵まれないTOKIOを切ったユニバーサルとジャニーズは没交渉だった。それで、田原俊彦や赤西仁など、ジャニーズを辞めた人が所属している。ですが、同じ外資系のワーナーが最近、元SMAPの3人を所属させた。

 元会長はジャニーズと近い人だけに、ジャニーズ側の驚きはそうとうなものだったそうです」(音楽プロデューサー)

 それで、慌ててユニバーサルと交渉。King&Princeを今年デビューさせた。

彼らもCDが売れなければTOKIOのように切られてしまうかもしれません。渋谷もそのあたりの音楽業界の動きは詳しいですから、売れる力があれば外資系のメジャーレーベルで契約できることを知っている。来年中にはワーナーかユニバーサルから再デビューするのでは」(同・音楽プロデューサー)

 ミュージシャンとして、ひとり立ちすることを決心した渋谷。これからファンへどんな音楽を届けるのだろうか。

会見では安田以外のメンバーが同席した(日本テレビ系『PON!』より)