ブログやツイッターで婚活指南が好評を得ている、ライター・仁科友里さんの連載「仁科友里の必殺! 婚活仕事人」。番外編となる今回は、嵐・二宮和也との交際報道が世間を騒がせる伊藤綾子を考察します。

伊藤綾子

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 ジャニーズ事務所に所属するタレントと、交際、結婚することは、難しい。

 これは、特にジャニーズファンでない人でも知っている、国民的常識でしょう。

 例えば、ジャニーズとの恋愛や結婚の難しさと言うと、マッチこと近藤真彦と中森明菜の例が思い出されます。もともと明菜がマッチのファンだったそうですが、映画『愛・旅立ち』で共演し、交際に発展。マッチが明菜のマンションへバイクのヘルメットをかぶったまま通う姿を写真週刊誌に撮られたことで発覚します。

 言わずとしれた超トップアイドルの恋を、ファンが認めるわけはありません。人気者の二人は歌番組で一緒になることも多かったのですが、『ザ・トップテン』(日本テレビ系)に登場した明菜に、マッチファンが「帰れコール」を浴びせたのを見た覚えがあります。

 交際しているだけでこうですから、結婚などされたらファンが激減する可能性はあります。となると、事務所は交際や結婚を認めるわけはありませんし、事務所ににらまれたら自分の仕事に差しさわりがありますから、ジャニーズのタレントが二の足を踏むのも致し方ないのかもしれません。「百恵さんのように結婚して引退したい」と公言していた明菜ですが、二人の恋は、明菜の自殺未遂という最悪の結果で幕を閉じます。

 それでは、ジャニーズは絶対結婚できないのかと言えば、そういうわけではないのです。マッチは30歳の時に、一般人の女性と結婚しています。となると、ジャニーズ事務所は「結婚は相手とタイミングによっては、許さないわけでもない」と考えていると見ることができるのではないでしょうか。一般人のカップルもタイミングは大事ですが、ジャニーズのタレントの場合、二人のタイミングだけでなく、「事務所に許されるタイミング」を計ることが必要になります。女性側の結婚願望が強かった場合、ストレスになることは間違いありません。

 そのストレスに耐えきれなかったのでしょうか。2016年7月に嵐・二宮和也のマンションに通う姿を『女性セブン』(小学館)に撮られたフリーアナウンサーの伊藤綾子(以下、アヤコ)が、自身のブログで交際を匂わせる画像を多数アップしていたことが判明、二宮ファンを敵に回してしまいました。

 ジャニーズのタレントと女性芸能人の熱愛が話題になることは珍しくありませんが、自分も表に出る仕事をしていながら、ここまで露骨な“匂わせ”を行うのは非常に珍しく、つきあっていることを世間に知らせたいというアヤコの叫びが聞こえてくるようです。この匂わせを私は「アヤコ事変」と名付けています。

「アヤコ事変」の衝撃

 アヤコの出演番組にはファンからの苦情が殺到し、アヤコは降板に追い込まれます。テレビであまりアヤコを見ることもなくなりましたが、今年3月に「メディアの仕事から、いったん離れたい」という理由で、所属事務所を辞めていたことが判明します。“いったん”という言葉に、捲土重来(けんどじゅうらい)とでも言いましょうか、アヤコの本気度と負けず嫌いさを私は感じました。“このままでは終わらない、次にメディアの世界に返ってくるときは、二宮夫人よ”という気迫を感じたのです。

 4月に入ると、またもや『女性セブン』(小学館)が、二人の関係が続いていた証拠、2ショットを激写します。一般人になったアヤコは、二宮の身の回りの世話に専念しているようです。

 交際の事実を明らかにし、妻のようにふるまって既成事実を作る。外堀を埋めるという表現がありますが、外堀にコンクリートを流し込む勢いにも感じられます。

 事務所としては、ジャニーズの顔たる嵐のメンバーの結婚に、そう簡単にOKを出したくはないでしょうし、そもそも事務所が認めたこれまでのジャニーズの妻のパターンに、アヤコは若干足りていないところがあります。

ジャニ嫁の“パターン”とは

 ジャニーズの妻は、一般人、芸能人、両方います。

 近藤真彦、TOKIO・山口達也(のちに離婚)、国分太一の妻は一般人ですが、結婚前も後も表に出ることはなく、生活感を一切出しません。

 東山紀之(妻は木村佳乃)、木村拓哉(工藤静香)、井ノ原快彦(瀬戸朝香)は芸能人と結婚していますが、女優陣は主役を張れるクラスですし、工藤静香も80年代のアイドル四天王と呼ばれていました。つまり、一般人ならタレントのイメージを下げる行動をしない、芸能人妻であれば、華々しいキャリアで夫と並んでも遜色ないかが問われているのです。

 昨年末から今年にかけて、V6・岡田准一と宮崎あおい、森田剛と宮沢りえが立て続けに結婚を発表しました。宮崎も宮沢も離婚経験者です。一昔前なら、ジャニーズ事務所が手塩にかけたタレントとバツあり女性が結婚するとは考えにくかったものですが、今は相手女性に大河ドラマの主役級のキャリアがあれば、絶対にダメということはないという方向に進んでいるように感じます。前歴よりキャリアの時代なのです。

 この観点で考えると、アヤコは週刊誌などの「好きな女子アナ」企画で上位に入るか、アヤコ好きを公言していた明石家さんまと一緒に番組をやるなど、キャリアアップをするのが正攻法でした。今のアヤコは一般人のような殊勝さはなく、けれど、ジャニーズ事務所を納得させるキャリアはない、匂わせをして二宮ファンを怒らせるなど、すべてにおいて中途半端なのです。

 やはり、結婚は難しそうですが、方法はないわけではありません。

 こういう時は“味方”を作って、橋渡ししてもらえばいいのです。

アヤコが学ぶべき“先輩”とは

 アヤコは二宮より年上ですが、かつて同じく、年下のジャニーズタレントと交際し、匂わせをしながら、結婚まで持ち込んだ芸能人がいました。工藤静香です。

 工藤静香も交際発覚後から、頻繁に木村拓哉の好きな食べ物をネットにアップするなど、「私、つきあっていますけど?」アピールに余念がないタイプでした。二人は結婚前に種子島に旅行に行くのですが、なぜか飛行機の便名がマスコミに漏れて空港に取材陣が殺到するなど、外堀が埋められてる感アリアリでした。二人が結婚を発表した時、すでに工藤は妊娠4か月でした。

 工藤は“外堀埋め婚”の先輩でもありますし、木村拓哉のジャニーズ事務所残留を勧めたことから、事務所の上層部との関係も良好と言われています。アヤコは、80年代の工藤静香ファッション(前髪を立てて、ケープで固める。肩パッドの入ったスーツを着る)に身を包んで、工藤のヒットソングはすべて歌える状態にして、教えを乞えばいいのです。

 結婚を左右する要素は、もう1つ。若手ジャニーズがブレイクするかどうかです。10代20代の若手が、かつての光GENJIやSMAPのように大ブレイクしてドル箱が増えれば、事務所の関心はそちらに行き、嵐へのマークは多少、緩くなるからです。

 ジャニーズ事務所が変わりつつある中で、アヤコの攻撃が吉と出るか凶と出るかーー。

 最終的にはアヤコの持つ“運”の問題のような気もしますが、スターと結婚するとは、博打(ばくち)を打つようなものです。結婚するにしてもしないにしても、アヤコ事変はジャニーズ史に語り継がれる出来事になるのではないでしょうか。

(文/仁科友里)

<プロフィール>
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に答えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。近刊は、男性向け恋愛本『確実にモテる世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。