ゴダイゴの6人。左から吉澤洋治(61)、タケカワユキヒデ(65)、トミー・スナイダー(65)、ミッキー吉野(66)、スティーヴ・フォックス(64)、浅野孝己(66)。撮影/森田晃博

 ドラマ『西遊記』放送40周年を記念して、4月22日にフルメンバーで公演を行ったゴダイゴ。1976年にデビューし、その音楽性の高さと最先端の楽曲で、社会現象にまでなった彼らが生み出した名曲の数々は、多くのアーティストにカバーされ、いまなお若者に愛され続けている。

タケカワユキヒデ「結成当初は、僕とミッキーのダブルキーボードのバンドだったんだよね。最初は全詞英語で通ウケする音楽ばかりをやっていて、なかなか売れなくて。『ガンダーラ』を出すときに、ミッキーがこう言ったんだよね。“やっぱりさ、売れるバンドはボーカルがいないとダメなんだ。タケ、悪いけどマイクを持って歌ってくれないか”と。それまでマイクだけを持って歌うなんてやったことないから、手のやりどころとかわからなくって(笑)。

 でも『ガンダーラ』が売れなかったらこの先がない、という状況だったので、頑張りましたよ。VHSのビデオを買って、自分たちの出番だけ家族に録りだめしてもらいました。今でも家には、『ガンダーラ』ばかりとか、『モンキー・マジック』ばかりみたいなテープがあります(苦笑)。あのころは毎日、歌番組があって、毎日、同じ曲を歌って、いま考えるとそんな幸せなことはなかったよね

男女や世代を問わず幅広い客層が集まったコンサート「billboard classics GODIEGO with premium strings&choir -THE GREAT JOURNEY 2018-」は、クラシック音楽の殿堂として有名な『東京文化会館』ホールにて。撮影/森田晃博

わずかひと晩で作り上げた伝説の曲

 取材当日のライブはチケット完売。本番では、みんなが知っているシングルから、隠れた名曲まで披露した。アンコールで、タケカワが「さあ、行きますか、あの曲を!」と声をかけて会場が沸き上がったのが『銀河鉄道999』。スターとして多忙な合間に、タケカワがひと晩でこのメロディーを作ったという逸話がある。

タケカワ追い込まれていたのがかえって功を奏したんだと思います。“THE GALAXY EXPRESS 999”というサビにメロディーをつけるなんて、よくそんな恐ろしいことができたと思う(笑)。真剣に文字とにらめっこをしていたら、生まれなかったかもしれない。でもね、ミッキーがいちばん大変だったんじゃないかな。僕の曲を受け取ってすぐにスタジオでアレンジしてくれて」

 絶好調のさなか、’85年に1度、充電期間を置き、2006年に活動を再開した。

ミッキー吉野「奈良の東大寺で1回きりのライブをやったんですけど、東大寺の色彩を見てふと、“この景色、どこかで見たなあ……。そうだ、カトマンズ(’80年、ネパールで行った野外コンサート)で見たあの色だ、と。本格的に再始動した年は2006年、カトマンズのライブからちょうど26年目。26という数字は、AtoZの数。あれから26年、やっぱり僕たちは再始動する運命だったんだと。

 今は、ゴダイゴのメンバーと一緒にいると、居心地がとてもいい。メンバーはみんなそれぞれの関係を大事にしていて、まるで鉄道のレールみたいな関係です。鉄道のレールってずっと並行して走っていて、ハの字に分かれちゃったら走らないし、交差してしまってもダメ。ひたすら終着駅に向かってずっと走り続ける。

 僕らも、“GO(生)DIE(死)GO(生)”というネーミングのとおりに、活動から休止、そしてまた活動へ。永遠に向かって走り続けています。もしも終着駅があるとしたら? それは幸せという名前の駅なんじゃないかな」

 ゴダイゴという鉄道は、永遠の幸せへ向かって走り続けている。

コンサートは総勢約100名におよぶ大舞台。ストリングス(弦楽)とクワイヤー(合唱)を迎え、さらにゴダイゴのフルメンバーでのスペシャルコンサートが実現した。撮影/森田晃博

ゴダイゴ40年史

1976年 シングル『僕のサラダガール』でデビュー

1977年 アルバム『DEAD END』を発表

1978年 ドラマ『西遊記』のエンディングテーマ『ガンダーラ』と主題歌『モンキー・マジック』が大ヒット

1979年 『ビューティフル・ネーム』『銀河鉄道999』『ホーリー&ブライト』が大ヒット、同時に3曲がベスト10入り

1980年 ネパール・カトマンズ、中国・天津で現地初のロックコンサートを行う

1985年 インターミッションと銘打ち、活動休止

1999年 期間限定で再結成

2006年 結成30周年にあたり奈良・東大寺でコンサート開催。2度目の再始動を宣言

2007年 一夜限りのコンサート「2007 TOKYO 新創世紀」(2009年まで3部作として開催)

2016年 結成40周年を迎え、新曲『Tomorrow of Your Dreams』がCMタイアップ曲に

(取材・文/生嶋マキ)