鈴木伸之 撮影/廣瀬靖士

 小学生のとき“ひなぎく会”と名前をつけて集まっていた4人の少女たち。時がたち、ひとりは夢だったパン職人の道を歩み始め、もうひとりは営業職にまい進し、バッグ職人として店を構える人がいて、最後のひとりは専業主婦に。アラサーになった彼女たちが、それぞれ問題山積みの現実に向き合う日々を温かく描いたNHKドラマ10『デイジー・ラック』。

『逃げるは恥だが役に立つ』と同じ海野つなみ原作による同名コミックのドラマ化で、パン職人を目指すヒロイン・楓(佐々木希)の教育係で、海外で修業してきた厳しい先輩・安芸を演じているのが鈴木伸之(25)。序盤、29歳で転職した楓に年齢を聞いた安芸が「けっこう、いっちゃってるけど大丈夫かな」と語ったシーンが印象的だった。

「ひどいですよね。でも、パン作りに対しては妥協したくないのが安芸。自分だけじゃなく、周囲の人にも同じ気持ちで向き合ってほしいんです。それにしても、ちょっとイヤなやつですよね(笑)」

 そうさわやかな笑顔を浮かべる鈴木自身にも“頑固”な部分があるそう。

欲しいと思ったものがあったら、頑張ると思います。例えば、欲しい洋服があって、自分が足を運んだ店になかったら、別の店舗を回ったり、インターネットで検索をしたり。かわりのものを買おうとは思わずに、探し続けます。今回のドラマだと、3年海外で修業してきた設定なので、パン作りは誰よりもうまく見えるように妥協したくない気持ちがありますね」

 安芸を演じるために、パン作りに関する本を購入して勉強したり、監修で入っている先生に相談しながら役作りを進めていったそう。本職からの努力の評価を聞くと、

「けっこう甘い先生なんですよ。いつもニコニコしながら“OK! OK!”って。本当に大丈夫かなと思っちゃうくらいに(笑)」

“師匠”と呼ぶ安芸に恋する楓。一緒に働くことで彼女のパンへの思いに触れた安芸との距離は近づいていき……。しかし、安芸が「今は恋愛よりもパンが優先」と語り、さらに楓は彼と元彼女との仲も気になって――。

「あんなことや、こんなこと、いろいろありますから楽しみにしてください。でも、家族で安心して見ることができるドラマです(笑)。楓って、佐々木さんにピッタリな役柄。明るくて天真爛漫で、すごく素敵です。僕自身が惹かれるのも明るい女性ですね。ニコニコしながら話を聞いてくれたり、自分の話をしてくれたり。バランスがとれている人がいい。もし、話に結論がなかったとしても大丈夫。僕もけっこう話が横道にそれていってしまうタイプなので(笑)」

 幸せを感じる瞬間は?

「やっぱり、お風呂に入って、寝ているときですかね。外に出たら気を遣って、疲れることもあるじゃないですか。家にひとりでいるときが、いちばんリラックスできます」

 30歳までに実現したいことは?

英語が話せるようになりたいです。今年からレッスンに通い始めたんですが、2~3年後には、ある程度、理解できて、話せるようになっていたらいいなと思っています。チャンスがあれば、海外のアクション作品なんかにも挑戦したいですね」

<出演情報>
NHKドラマ10『デイジー・ラック』(毎週金曜、夜10時~)