左から池松壮亮、満島真之介 撮影/高梨俊浩

池松「監督の松居(大悟)さんとは、僕が20歳くらいのときに初めてお会いして。ずっと“オリジナルの映画を作りたい”とおっしゃっていた中、いよいよ“オリジナル作品で、尾崎豊役を演じてほしい”ということで今回、声をかけていただいて。僕もつい、その場で“やりたい”って言っちゃったんです。でも実際は全然、尾崎さんの映画じゃなかったんですけどね(笑)」

満島「僕もまさかのブラピ役です。ブラッド・ピット本人も演じたことがない役をやらせていただけたということで、世界初の挑戦ではないでしょうか(笑)。でも最近は、オリジナル作品となかなか出会えない中、自分で脚本を書いて、責任を持ってひとつの作品を作り上げる松居さんに出会えて、本当にうれしかったです」

 映画『君が君で君だ』(7月7日[土]七夕全国公開)で、尾崎豊を池松壮亮(27)が、ブラッド・ピットを満島真之介(29)が演じる。

 男3人が惚れてしまった、1人の女の子・通称“姫”(キム・コッピ)が好きだと言った尾崎豊、ブラピ、坂本龍馬の3人に、自分の本当の名前を捨ててまでなりきる男たち。愛する姫を10年見守り続け、不器用だけどまっすぐで、それでもやっぱり不器用すぎる男たちの日々を描く。

池松「今回、満島さんとは初めて共演させていただいたんです。でも実は、フットサルを一緒にやったことがあって。仕事場よりも、そっちで会う機会のほうが多かったんです。だから今回、ようやくお芝居でご一緒できて幸せでした」

満島「僕も、池松くんのことが大好きすぎて。だから今日は、ひさびさに会えたのがうれしくてうれしくて、取材どころじゃないです(笑)。池松くんに話したいことがたくさんありすぎる!」

 取材中も和気あいあいと、相思相愛っぷりがバンバン伝わってくる2人。大きすぎる愛が、止まりません!

満島「池松くんは小さいころからお芝居をしていて、そのころ僕は沖縄でサトウキビをかじっていたころですからね(笑)。そんな、全然違う景色を見て育った2人が出会ったら、お互いにとって刺激でしかなくて。池松くんからもらったものすべてが、パワーになるんです。そういう人間関係に、この年齢で出会えたのは、本当によかったなと思っています」

池松「満島さんは、本当に太陽みたいな人で、嫌いになる人なんていないんじゃないかなって。人の愛情だったり、汚い部分にも躊躇(ちゅうちょ)せず踏み込んできてくれて、触れた人みんなを幸せにしてくれる人。役者としてもとてもテクニシャンで、確認し合わずとも、同じ方向を向ける方。まさに俳優という言葉におさまっていなくて、おさまれないんです。ほら今日も記者さんが質問したらずっと答えちゃうでしょう?(笑) “もう大丈夫です”ってときは、きちんと止めないとダメですよ」

満島「僕、反射みたいにずっとしゃべっちゃうんです。あ~もっとしゃべりたいな~。でも、指摘されたらスッと、ミーアキャットみたいに止まりますから! ご心配なさらず(笑)」

池松壮亮、満島真之介 撮影/高梨俊浩

初恋は、同じ人に13回告白!

満島「中学生のときの初恋は、同じ人に13回告白したよ」

池松「すげえな!」

満島「13回フラレて、14回目に相手から“好き”って言ってもらえたの」

池松「そういう成功体験が、真ちゃんみたいな人を作るんだね。どれくらいの期間かけて告白したの?」

満島「2年弱くらいかな?」

池松「結構なスパンだね。2か月に1回くらいの頻度で告白してたんだ」

満島「2か月に1回のときもあれば、1か月に2回のときもあって。当時は“好きだ”って感情を持ったことに自分自身が驚いていたけど、自分の中でその気持ちを抑えられるはずがないから、相手にきちんと伝え続けてた。断られるたびに、号泣してたけどね(笑)」