左から、千葉雄大、瀬戸康史、志尊淳

 NHK連続テレビ小説『半分、青い。』で、ヒロイン鈴愛の漫画アシスタントの先輩でゲイの美青年「ボクテ」を好演する志尊淳。

 仕草やセリフまわしなど、そのなりきりぶりに注目が集まっているが、志尊は、今年の1月から同じくNHKのドラマ『女子的生活』で、トランスジェンダー役で主演。この時も女装姿の美しさや演技が話題となった。

「志尊さんは、同時期に放送されたドラマ『トドメの接吻』(日本テレビ系)でも、主人公の山崎賢人を好きになる男性役で出演しました。『半分、青い。』でのボクテ役では、少しコミカルな要素も加わっていて、これまでの経験が生かされているような気がします」

 と、ある芸能記者は言う。

視聴者が違和感なく触れられる

『女子的生活』や『トドメの接吻』と同時期に放送されていたのが、月9ドラマ『海月姫』(フジテレビ系)。ここでも、瀬戸康史の女装姿が話題を集めた。

「月9での瀬戸さんは志尊君と同じく、女装姿が話題を集めました。また、千葉雄大さんも性別を超越した、やわらかさをあわせ持つ若手俳優だと思います。千葉さんの場合は、その中性的イメージから『有吉反省会』でオネエ疑惑が取り上げられたこともあったぐらいです」(芸能記者)

 志尊淳に瀬戸康史に千葉雄大。

 ときには美しい女装姿を見せ、中性的な役どころを演じられる。そんな若手俳優が増加する背景には、何があるのだろうか。あるドラマウォッチャーのライターはこう分析する。

まずは、当然、見た目ですよね。彼らは男性でありながら、物腰も柔らかく、中性的な役どころに、視聴者が違和感なく触れることができる。さらに、トランスジェンダーやジェンダーフリーなどの内面性や細部を演じられる、演技力が重要です。

 もちろん、彼らは中性的な役に特化しているわけでは全くありません。いろんな役柄を演じる中のひとつですが、このような役柄をこなせる若手俳優は、ごくわずか。彼らはみな『うまい』といっていいと思います」

 他の要素としては、声も大切だと、前出のライターは言う。

「志尊君や千葉君は、少しだけ高めで甘い声なのがまた、よりそういう役に合うのだと思います。『海月姫』の瀬戸君は、やや太めの声で男性的な部分を少し感じましたが、ドラマの雰囲気に合わせるのが、とても上手かったと思います」

 今後も、このような中性的な役どころを求められる作品が増えていきそうだが、彼ら以外に可能性を感じるのは誰だろうか。前出のライターは言う。

「やはりジャニーズ系には期待したいところ。若手では、ルックスや物腰、声質などから、King & Princeの岩橋玄樹君なんかに可能性を感じます。あとは、まだまだ未知数の演技力に期待したいですね」

 いかにもオネエ的でない、自然な演技で魅せることができる若手俳優。

 需要はますます高まりそうだが、条件を満たす俳優は限られそう。彼らへのオファーが増えていきそうだ。

<取材・文/渋谷恭太郎>