松本穂香 撮影/廣瀬靖士

「私が上京して初めてのスタジオ見学がドラマ『サイレーン』の現場だったんです。あのとき初めて松坂(桃李)さんを見て、“わ、芸能人!! こんなカッコいい人見たことない”って興奮したのを覚えています(笑)。そんな松坂さんが今回、旦那さん役だなんて、今でも信じられません」

 朝ドラ『あまちゃん』に憧れ女優を志し、2015年にデビュー。昨年は『ひよっこ』で演じたメガネ姿の澄子役が話題に。そして4年目にして新ドラマ『この世界の片隅に』で主演の座をつかんだ松本穂香(21)。夫・周作役を務める松坂桃李をはじめ、共演者は名高い先輩ばかりで、

「少し前までテレビで“面白いな~”って見ていたドラマに出ていた方たちと、今、一緒にお芝居させていただいているのが不思議な感覚です。夢のある幸せな環境に身を置かせていただいているんだなと実感しています」

 とはいえ、これまですべてが順調だったわけではなく、つまずいたときには先輩・有村架純からこんなアドバイスが。

「やっぱり経験がないぶん、思ったようにお芝居ができないときもありました。でもそんなとき、有村さんがすごく励ましてくれて。“今、できないのは当たり前だよ”って。まだまだ自分はこれから、もっと頑張らないと、という気持ちを常に意識しています

 そんな中、巡ってきた大きなチャンス。主人公・すず役にはオーディションで3000人もの中から大抜擢!! さらに脚本は朝ドラで自身の新たな魅力を引き出してくれた『ひよっこ』の岡田惠和氏が手がけ、作品にかける思いもひとしおだ。

「台本を読んで自然とすずさんの気持ちになれて。オーディションでそういう気持ちになれたのは初めてだったので、これはご縁があるのかもしれないと思いました。岡田さんの台本は、ト書きも含めてすべてが愛おしい。すごく面白くて毎回届くのが待ち遠しいです」

 そんなすずとは、どんな共通点が?

ボーッとしているところかな(笑)。あとは私もすずさんも、裁縫と料理がそんなに得意じゃなくて。私は小学生のころ、裁縫するのにずっと同じ面を縫っていました(笑)。これから、すずさんと一緒に上手になっていければいいなと思っています」

 今は役作りに徹するため、プライベートでも下駄をはいたり、大好きな洋菓子を控えているそう。

「すずさんが初めてアイスクリームを食べるシーンがあるので、その反応を大事にするため今は洋菓子をやめています。そしたら和菓子に敏感になってしまって(笑)。ドラマは食事が豊かではない時代。おいしいものを食べられるのって本当に幸せなことなんだなって。そういった日々忘れがちな大切なことを私自身、この役を通して実感しています

原作は超話題作!

「やっぱりプレッシャーはあります。でも、漫画や映画のすずさんに寄せようとかマネしようとは思っていません。とにかく岡田さんが書いてくださったものを表現していこうと思っています。周りの方もそれがすずさんだと信頼してくださっているので。あまり考えすぎず、リスペクトの気持ちを持って臨んでいきたいです」

普段は関西弁!

 実は2年前の取材時にはガッツリ関西弁だったが――。

普段が関西弁だと、芝居のときも出ちゃうから気をつけたほうがいいって言われてから意識しはじめて。気づいたら、お仕事では標準語になっていました。でも家に帰ると母がいるので、すぐに関西弁に戻ります。(地元の)大阪にいたときは標準語なんて絶対にイヤと思っていたのに、慣れるものですね(笑)」

『この世界の片隅に』 (c)TBS

<出演情報>
日曜劇場『この世界の片隅に』(TBS系)
7月15日夜9時スタート
※初回25分拡大太平洋戦争の最中、広島県呉市の北條家に嫁いだヒロイン・すず(松本穂香)。夫・周作(松坂桃李)とともに前を向き、自分らしく生きていく日常を、優しく丁寧に描いていく。