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 稀代の毒婦か、冤罪の被害者か――殺人の容疑者として逮捕された女が残した膨大なメモ書きの衝撃中身!

事の発端は……

 今年3月に大阪府堺市の会社経営者・足立聖光さん(40)が、トイレで練炭を燃やし、死亡しているのが発見される。警察は自殺と判断したが、その後の捜査で、聖光さんの姉で会社経営者の足立朱美容疑者(44)を6月20日に殺人容疑で逮捕する。

 朱美容疑者には、睡眠薬で聖光さんをこん睡させ、トイレに運んで練炭自殺を偽装した容疑がかけられている。また、糖尿病だった朱美容疑者の父は、今年1月に朱美容疑者に甘酒を飲まされた直後、昏倒して病院に搬送され、6月28日に死亡している。

衝撃の「遺書」の中身とは

当記事は「日刊大衆」(運営:双葉社)の提供記事です

〈はめられてる人間、そりゃ捜査したらなんぼでも出てくるわ。はめてんやから(笑) えん罪。えん罪。誤認たいほで、人生うばわれるなら、見せしめに死んだるよ〉(足立朱美容疑者が書いた「遺書」と題する手記より引用※原文ママ=以下同)

 6月20日に実弟を殺害した容疑で逮捕された大阪・堺市の足立朱美容疑者(44)。事件の概要は上記を参照してほしいが、彼女は逮捕される直前まで、克明な日記や膨大なメモ書きを綴っていた。

 その一部は、『週刊新潮』7月5日号でも紹介されているが、本誌は、さらに詳細な手記を入手。今回、その衝撃の中身を紹介したい。

 実はこれら手記全体に目を通すと、驚くべきことに気がつく。冒頭のように、朱美容疑者が一貫して冤罪を主張しているのだ。手記では、次のように一方的に自分の身を守りたい思いもあるのか、疑惑の主張をしている。「弟の妻(義妹)と、会社経営者である弟が右腕として信頼していたXが共謀して、弟を死に追いやったと……」

 そして、「自分は“弟殺し”の犯人に仕立てあげられたんだ」と……。彼女が罪を逃れるため、嘘を言っている可能性も高く、真偽は未だ闇の中だ。

 朱美容疑者の父親(6月28日に死去)は、堺市を拠点に給排水設備の敷設を請け負う水道会社を一代で築いたやり手だ。弟の聖光さんは父親の会社を手伝い、その後、建設業者として独立している。

 一方の朱美容疑者は、ナイトラウンジやホストクラブ経営を手掛けたが、いずれも失敗し、病気がちとなった父親に代わり家業を継いでいた。しかし、経営は思わしくなく、朱美容疑者は経営者として悩んでいたという。

「一部報道では、朱美さんが犯行に及んだ背景に、ライバル企業となった弟の会社との仕事の奪い合いがあったとありますが、これは真相は不明です。弟とその妻である義妹は、朱美さんの会社の監査役や役員を兼ねていましたし、弟の会社は水道会社というよりは建設会社に近い。業務内容が大きくバッティングすることはなかったはずです」(朱美さんの知人男性)

 しかし、身内同士で経営する親族企業の話だけに、ビジネス上の軋轢以外にも、彼女にとり近親憎悪が強く働いていた可能性もある。

義妹とXに「はめられた」

〈警察から、検視の結果、自殺ですと言われるが、義妹とX(※手記では実名)が、自殺のはずがないから、調べてほしいとこん願。自殺という、身内で話をしなければならないであろう状況で、Xを呼び、検視に立ち会い、口を挟み、あげくに私が怪しいと言い出す2人に不信感とショックでね込む〉(弟が死亡した翌日の日記より)

 朱美容疑者は、「2人は警察の自殺という報告に執拗に噛みついた」と疑惑の主張をしているのだ。

〈弟は4年ぐらい前に会社の女の子と○○○○(※伏せ字)にあった。嫁といてると落ち着かないと言ってマンションを借りて、○○○○○○(※伏せ字)を送ってたが、義妹が○○○○(※伏せ字)を呼び出し、○○○(※伏せ字)ように迫った〉(記述日時不明)

 もちろん、こうした朱美容疑者の義妹とXに対する不信も、自己弁護の可能性は十分ある。

〈(葬儀の席で)最後、親族のみで……と花を入れて、弟の顔をさわっている時、義妹のそばで、義妹の肩を抱くXに不信を抱く。後日、Xの義妹への接し方に○○○○○(※伏せ字)とのうわさが飛びかう〉(3月31日)

 前出の知人男性によれば、朱美容疑者は「義妹とXの“関係”」を周囲に語っていたという。しかし、自分の主張は容れられず、弟殺しの容疑者として警察の捜査が進む中、「2人にハメられた」――と綴るようになり彼女の精神は、次第に追い込まれていったようだ。

怪文書と“スプレー事件”も発生

〈他社にも怪文書が送られてるとTELがあり、精神的に参ってしまい、自殺未すい。次男に見付かり、精神科へ連れて行かれる。PTSD?と診断。投薬を開始〉(5月11日)

 これは、4月に取引先にばらまかれたものだ。

 同じ頃、義妹の車がスプレーでいたずらされる事件も発生。これに対し、義妹は器物損壊容疑等で朱美容疑者を告訴、5月24日に朱美容疑者の関係先には家宅捜索が入っている。

「府警は、トイレに置かれていた弟の遺書は朱美容疑者が事務所のパソコンで作成したとみている。また、弟の遺体を司法解剖した結果、朱美容疑者が使っていた睡眠薬と同じ成分を検出したため、逮捕に踏み切ったようだ」(地元紙記者)

 朱美容疑者は、怪文書や器物損壊容疑についても当然、反論を綴っている。

〈私が(※編集部注=弟の遺書を)打つとしたらネットカフェ、もしくはデータを復元されない様、(※=事務所の)パソコンを処分して新しいパソコンを使うに決まっている。バカらしい〉〈怪文書にしても、別に取引がなくなっても痛くもかゆくもない所に送り、大手の取引先には送ってないのも不信〉(5月29日)

 さらには、荒唐無稽ともいえる、次のようなことも記している。

〈(※=スプレーの件は)●(※義妹の実名)の昔の不良仲間なら、お金でやりそうな子はいてる気がする。風ぼうも似てるのは居てる。男でも帽子、メガネ、マスクなら女の子に見える? あえて防犯カメラに映らせた?〉(5月25日)

 しかし、こうした朱美容疑者の一方的な主張がどこまで警察に通用するのか、今後捜査が大いに待たれるところだ。

父親の死にも関与?

 さらに朱美容疑者は――。

〈おそらく、父親が意識不明で入院した時から実行、計画が進んだと思われる。弟はそれを知った? もしくは気づいた? 裏切られている事を知るが、父が意識不明で相談も出来ず、悩み抜いた? その挙句の自殺?〉(5月25日)

 また、彼女は次のようにも記している。

〈私には何のメリットもなくXは社長の肩書きと会社を手にし、●(※義妹のイニシャル)はかなりの財産を手にし、母親まで取り込んで残りの財産を手に入れる事が出来る。弟を殺す動機もない私を必死で殺人犯にしようとしてる警察も、客観的に見れないのか?〉(5月29日)

 しかし、朱美容疑者の主張とは裏腹に、彼女を取り巻く状況は、さらに厳しくなるばかりだ。

 彼女の父親の死亡を受け、府警は今年1月に父親が倒れた状況にも不審な点があるとして、朱美容疑者が殺害を図った疑いも視野に死亡解剖するなど、詳しく調べているという。父親は、インスリンの過剰投与による低血糖脳症で意識が戻らないまま、6月末に亡くなっている。

〈インスリンの注射器も、普段、私が父に手渡したり、机の上を片付ける際さわってるので、指もんは出てあたり前。○○○○○○(※伏せ字)〉(日付不明)

 朱美容疑者は、2006年9月に違法薬物で逮捕されている。短大在学中に10歳年上の男性と結婚。2人の息子をもうけるが、親権を得るために、夫の定期に仕込んで事件をデッチ上げようとしたためだ。この事件後、朱美容疑者は離婚し、シングルマザーになっている。

 やはり、これらの疑惑の手記もすべて彼女の“勝手な言い分”に過ぎないのだろうか――。