映画『インクレディブル・ファミリー』 (C) 2018 Disney/Pixar All Rights Reserved.

〈STORY〉 驚異的なパワーに非難の声が高まり、活動が禁じられていたヒーローたち。そんなある日、Mr.インクレディブルこと怪力パパのボブ一家に、ヒーロー復活をかけたミッションが舞い込む! ……が、依頼されたのはパパではなく、ママ・ヘレン。ママに代わって、慣れない家事・育児に奮闘するボブだったが――。

 アニメーション史上、全米興行収入歴代ナンバーワンを記録した映画『インクレディブル・ファミリー』がついに日本でも公開。なぜ、ディズニー/ピクサー作品は世界を魅了するのか。ブラッド・バード監督だからこそ語れる、マル秘エピソードが満載!

監督に直撃インタビュー!

ブラッド・バード監督 撮影/伊藤和幸

――以前、“僕の人生の中でいちばん楽しかったのが(前作の)『Mr.インクレディブル』だった”と。監督の中でもナンバーワンになったワケとは?

最初のアイデア、着想から最後まで、初めて自分の思いどおりに作れたのが『Mr.インクレディブル』でした。これまではもともと原作があったりしたものが多かったので全部、自分のアイデアで作り上げることで、ものすごい充足感が得られたんです」

――アメリカでは早くも『インクレディブル・ファミリー』が記録的大ヒット! ここまで観客にウケてるのは、なぜだと思う?

ひとつは“家族”の物語だからじゃないかな。あとは、この作品は誰もが最低でも2人のキャラクターに共感できる。みんなが体験してきたことと重なる部分がいくつもあるというのが、多くの人に響いた理由だと思っています

 例えば僕には2人の姉がいて、周りをイラッとさせる弟がどういうことかわかってた(笑)。妻との結婚生活も反映されてるし、ママ・ヘレンの姿は僕が子どものころに見ていた母の姿でもあるんだ」

――末っ子の赤ちゃん、ジャック・ジャックは監督の息子から名前をとったって本当?

「僕の息子のジャックは、赤ちゃんのときジャック・ジャックというあだ名で呼ばれていて、それが由来になっています。でも、今では息子も25歳になってしまったよ!」

――本作では、パパ・ボブが“イクメン”に!

「“子育てをするのはヒーロー並みの偉業”というセリフがあるんですが、本当にそうだと思う。男女の役割を変え、それにまつわる男女のあり方についても考える。いろんな要素も含まれているけど、何より2時間、すべてを忘れて没頭してほしい。ポップコーンとドリンクを飲みながらね(笑)。それがいちばん大事なこと!

――ピクサー映画といえば、作中の“トリビア”もお楽しみのひとつ。この作品に隠された秘密をこっそり教えて!

本当は教えたくないけど……ひとつだけ! 映画の中で一家がテレビを見ているシーンがあるんだけど、そこに映ってるのは『科学少年J.Q』という、僕が昔ハマっていたアニメなんです。見つけられるかな? ぜひチェックしてみてください

ブラッド・バード監督 撮影/伊藤和幸

ディズニー/ピクサー作品Q&A

Q. ズバリ、ピクサー映画にも苦手分野ってあるの?

「ピクサーだからというよりもCGアニメーションは人間、髪、炎、水の表現がとても難しい。実は『Mr.インクレディブル』には、それらすべてが入っていて、通常のピクサー映画の3倍ものセットを必要としたんです。

 でも、その難題も僕らはやってのけた。水はまだまだ難しいところがあるんだけど、今回の作品では素晴らしい“水しぶき”が上がっているので、注目して見てほしい」

Q. なぜ、人間がメインのキャラクターに?

 実はディズニー/ピクサー作品で、人間が主人公になったのは『Mr.インクレディブル』が初めて!「実は人間をアニメーションで表現するのがとても難しい。でも僕は、“難しいんだよね!”って言われると燃えるタイプで(笑)。

 人の動きというのは、われわれ人間はよくわかってるでしょ。だからちょっとでも違和感があると“ん? 違うんじゃない?”って思われてしまう。すごく難しいぶん、それは最高のチャレンジだし、やりがいもあるんですよ

Q. 各国によって反応は違う?

 世界中で公開されるディズニー/ピクサー作品だが、「日本でもヒットした『リメンバー・ミー』は、メキシコが舞台だったこともあり、南米での評判がよかったです。

 『レミーのおいしいレストラン』はフランスで大当たり!」。別名“スローフードムービー”とも呼ばれていたそうで「そういう意味では、アメリカはファストフードの国だから。あの作品に関してはアメリカ以外での成績がよかったみたい(笑)」

Q. 『週刊女性』読者にオススメはコレ!

「フランスの厨房は男性社会。そこで働く女性ってすごく大変なんです。『レミーのおいしいレストラン』には、そんな環境でも強く生き、主人公を応援してくれる女性シェフが出てくる。

 ピクサー作品に出てくる女性キャラクターの中でも彼女は特に魅力的なんです。あとは『Bao』。ドミー・シーという女性監督が手がけた作品で、彼女は数年後には誰もが知る大物になっているはず。要注目です!」

こちらもcheck!

「泣ける」と話題! 短編映画『Bao』
(同時上映『インクレディブル・ファミリー』)
息子がひとり立ちをして家を離れ、寂しくてたまらないお母さん。そんなお母さんが作った肉まんに、ある日かわいい“命”が宿り――。母親目線で描かれた感動作で、見た人たちからは「泣ける」と絶賛の声が

『ファインディング・ニモ』『モンスターズ・インク』『リメンバー・ミー』『レミーのおいしいレストラン』『カールじいさんの空飛ぶ家』はMovieNEX発売中/デジタル配信中、ディズニー サマー・キャンペーン 実施中
『トイ・ストーリー』『Mr.インクレディブル』はDVD発売中(8月末までの期間限定)/デジタル配信中
発売:ウォルト・ディズニー・ジャパン (C) 2018 Disney/Pixar

〈PROFILE〉
ブラッド・バード監督◎『Mr.インクレディブル』『レミーのおいしいレストラン』で、アカデミー賞長編アニメーション映画賞を受賞。『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』『トゥモローランド』など、実写映画の監督も。本作では監督&脚本のほか声の出演も!