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 家事や育児、介護などの分担をめぐって、家族間で言い争いが増えて、いつのまにか一緒にいて心地よい存在だったはずの家族が「つかれる存在」になってしまった……そんな話を聞くことがよくあります。

 どうして自分の不満が家族に伝わらないの? どうしたら「つかれない家族」になれるの?

 そんなふうに「つかれる家族」と「つかれない家族」を考察するこの連載。数回に分けて、スウェーデン人と日本人の国際結婚ゲイカップルでもあり子育て中でもある「2人パパ」から「つかれない家族になるヒント」を探ってきましたが、今回がこのカップルの話のラストです。

 2人が子どもを持つまでのいきさつや家庭内の役割について(記事はこちら)、具体的な家事育児分担について(記事はこちら)、ゲイカップルが子どもを持つまでに考えたこと(記事はこちら)につづき、今回は、このゲイカップルやそのほかの家族の平和な生活を支える、スウェーデンの社会と文化について紹介します。

ゲイカップルの「子ども」への反応は…

 

スウェーデンだから?

 

オムツのパッケージが同性カップル

 

育休を取る男性が約90%、そして男女共用トイレ…

 

ベビーシッターは富裕層くらい?

 

欧米人でもスウェーデン人はシャイ!

 

どんな言葉よりもすごい愛情表現

 

いろんな道を、一緒に話し合っていける

 
BBQのときのリカさんと息子くん。ひとりのパパが肉を焼き、ひとりのパパが子どもに食べさせる。この日はそんな分担をしていました

「話し合いの大事さ」については、この連載ではず~っと描いてきましたが、今回のスウェーデン取材であらためてわかったことがもうひとつあります。

 それは、日本に比べて差別が少なく、皆で育児を分担するのが一般的なスウェーデンも、数十年前はそうではなかったということ。

 いろんな政党、団体、そして個人がコツコツ活動し戦ったことで、制度が変わり、社会システムが変わり、かつてなかった社会意識が生まれ、ゆっくりと変わって今の形になったということ。

それはつまり、日本も同じように変わっていく可能性があるということです。私はそんなふうに前向きにとらえました。そしてその変化への動きは少しずつ始まっていると思うのです。

自分の周りの社会から、少しずつアップデートしよう

 というわけで、今回のまとめ。

育児に理解のない社会につかれた

つかれるような社会は変えてしまおう!
自分の周りの小さな社会から、少しずつアップデートしていこう

当記事は「東洋経済オンライン」(運営:東洋経済新報社)の提供記事です

「社会を変える」というといかにも大変そうですが、たとえば「知人男性が育休を取る」と聞いたとき、いいことだなと思ったら「相手や周りにも応援・賛同の意思を言葉にして伝える」というのもひとつの活動だと思うのです。

 リアルな「いいね!」はひとつの波をつくるから。そして、ひとつの波は次の波を呼ぶから。

 さて、みなさんは、「育児につかれない社会」になるためには、日本がどんなふうになったらいいと思いますか? ぜひコメント欄で教えてください~!


ハラユキ(はらゆき)◎イラストレーター、コミックエッセイスト 雑誌、書籍、広告、Webなどの媒体で執筆しつつ、コミックエッセイの著書も出版。著書に、ダンスガイド『女子が踊れば!』 (幻冬舎)、産後クライシス体験を描いた『王子と赤ちゃん』(講談社)、陽気な妊娠出産ルポ『うわばみ妊婦~お酒はガマン!? のほほん妊婦の妊娠日記』(マイナビ)、リセットスポットガイド『週末プチ冒険はじめました』(KADOKAWA)。阿佐ヶ谷銭湯部主宰。2017年4月、カワハラユキコより改名。2017年6月よりスペイン・バルセロナ在住。ハラユキさんのHPはこちら