みんなにとって「ウィン」となるか(写真はイメージです)

 芸能マスコミがてんやわんやになった『9・12』。

 滝沢秀明が年内で芸能活動を引退することが明らかになると同時に、ジャニーズ事務所が大きく体制を変えることになる。

「これまでは“ジャニー・メリー体制”でした。これからは“タッキー・ジュリー体制”になるということですよ」

 ある、芸能界関係者がそう分析する。

今回の騒動のきっかけは、タッキーが“事務所を辞めたい”と言い出したことなんです。もともとタッキーはジャニーさんの寵愛を受けていると感じていたので、“ジャニーさんが亡くなったら事務所を辞める”とまで考え、口の堅い親しい人には相談していたようです。辞める時期がどうして早まったのかはまだ漏れてきませんが……」

 と付け加える。

経営陣みんなにとっての「ウィン」

 結果的に、ジャニー喜多川社長が滝沢の残留を望み、本人も周囲も納得した、という流れ。ジャニー喜多川、メリー喜多川が采配を振るうことが可能な、“残り少ない時間”のうちに、次世代へバトンを渡すことになった。

「うまく事が運べば、ジャニーズにとっては、良い選択になるかもしれません」

 そう読み解くのは、スポーツ紙の元ジャニーズ担当記者だ。

タッキーは面倒見が良い人格者。そして事務所内の信頼も厚い。もし万が一、そんなタッキーが辞めたとしたら、事務所崩壊の序曲になっていたことでしょう。それを食い止めることができて、ジャニーズ事務所全体にとってはウィン。

 ジャニーさんは、自分が亡くなった後、新人発掘をやる人材がいなくなることを如実に感じていて、その能力は姪のジュリーさんにはないと断じていたので、タッキーが自分の後継になってくれることは、ジャニーさんにとってもウィン。

 メリーさんは、元SMAPのメンバーを率いる I 女史の事務所復帰論など、事務所に漂っていた不穏な空気を完全に払拭することができるので、メリーさんにとってもウィン。

 ジュリーさんは、自分の顔写真や記事が週刊誌に報道されることを、心底、嫌がっていました。タッキーとの仲は計り知れないところありますが、タッキーが新体制の一躍を担えば、自分は矢面に立たずに裏方に徹することができるとあって、ジュリーさんにとってもウィン。

 タッキーは、ジャニーズ事務所が抱える“売れないJr.の処遇問題”を、先頭に立って解決できるので、タッキーにとってもウィン。

 そんなプレーヤーの思惑を見て取ることができますね」

 巨大な利益を生む“エンターテインメントマシーン・ジャニーズ”だけに、新たな内紛につながらなければいいのだが。

<取材・文/薮入うらら>