羽生結弦

「今はもう勝ちたいしかないです。本当に悔しい気持ちがいっぱいなので、またこれから。まあ……それがいちばん、自分らしいのかもしれないですけれども(笑)。本当に本当に、自分が頑張ったって言えるぐらい練習していきたいと思っています

 フィギュアスケートの'18 -'19年シーズンがついに幕を開けた。昨シーズン、平昌でオリンピック2連覇を成し遂げた羽生結弦も初戦を迎え見事、優勝を果たすことができたが、ミスが相次いだため、冒頭のように自分に厳しいコメントを残した。

 優勝という結果だけ見ると順調なシーズンインにも思えるが、内容は本人にとって満足するものとはいかなかったようだ。

ケガの治りが“未知数”

今回、ショートとフリーのいずれでも得点の取りこぼしがあったのがスピン。ショートの足替えシットスピンでは、太ももと氷の表面が平行な状態を保っておらず0点に。

 フリーでは2本のスピンが回転不足で減点となってしまいました。足替えの際は、片足で深くしゃがむことができないのではないか、という声も上がりましたが……」(スポーツ紙記者)

 なぜこんな声が上がったのかというと、昨年のグランプリシリーズNHK杯の公式練習で痛めた、右足首のケガが治っているか未知数だからだ。

「平昌ではメダル獲得後に痛みに耐えて試合に臨んでいたことを告白し、続く世界選手権は欠場していました。帰国後も病院に通う様子などが報じられ、そのケガの深刻さが気になるところです」(同・スポーツ紙記者)

 今シーズンからルールが改正されて、30秒も競技時間が短くなってしまう。そのぶん出来栄え点を稼ぐために、ジャンプやスピンの前後で工夫をするのだが、場合によっては、足首にかかる負担が大きくなってしまうこともある。

「本人は“痛みを自覚する回数は減った”と話していますが、その口ぶりでは万全ではないのでしょう。2か月ほど前の練習中にも、右手の小指を負傷しています。大きな痛みはないそうですが、ジャンプなどで力むと手を握ってしまうため、なかなか完治せず、長引いてしまっているようです」(スケート連盟関係者)

 無理をして炎症を起こしてしまったら元も子もないのだが、“絶対王者”は今シーズン中にあるジャンプを成功させることを自らに課している。

「今回のプログラムは、いままでの集大成や、自分への恩返しの意味も込めていると周りに語っています。

 トリプルアクセルの練習に明け暮れていた昔を振り返り“あのころ思い描いていた夢を叶えたい”と、4回転半ジャンプに挑戦することを明言していますが、近年はケガやインフルエンザなど、体調が万全でないことが多い。周囲からは“なによりも健康に注意してほしい”と言われているようです」(同・スケート連盟関係者)

 “ステイヘルシー”を胸に、夢を叶える日は近い─。